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会長短信「春夏秋冬」

会長短信「春夏秋冬」はメールマガジン(メルマ日獣)に掲載しています

会長短信「春夏秋冬(61)」

「獣医学術学会の充実と「生涯学習認定獣医師」称号の広告に向けて」
 9月2日の中部地区を皮切りに、10月14日の近畿地区及び九州地区まで、全国8地区で今年も獣医師大会及び獣医学術学会が開催されました。私も、開催が重なった2地区を除き、6地区の大会・学会に参加させていただきました。いずれの地区も成功裏に開催され、担当された地方獣医師会の皆様方のご尽力に対し、改めて感謝申し上げます。  今年も、各地区の大会や役員会等において、多くの要望やご意見を頂戴しました。これらの要望等の一つとして、地区大会・学会及び日本獣医師会獣医学術学会年次大会の活性化等についての要望がありました。  その内容は、①近年、地区学会の参加者が減少しているので、若い獣医師が参加したくなるような企画の充実を図ること、②地区学会ごとに本会から110万円の助成がなされているが、これを大幅に増額すること、③日本獣医師会獣医学術学会年次大会についても、共催地方獣医師会に対する委託費を現行の900万円から大幅に増額すること等、助成金等の増額と魅力ある企画の充実を求めるものでした。  ③については、本年3月26日に開催された平成29年度第6回理事会においても意見が出されました。これについては、かねてから開催受託する地方獣医師会にとって資金の確保が大きな懸念材料となっていることは承知しています。  このため、私からは、収支バランス、プログラム企画、参加者数等を検証しながら、平成31年度の第38回学会年次大会は本会自らが運営する方向で検討する旨の回答を行いました。その後、本件については本会事務局において具体化作業を進めていますが、第38回学会年次大会については、平成32年(2020年)2月7日(金)~9日(日)の3日間、東京で開催する案で検討されています。  今後、地方獣医師会等のご意見も伺いながら、魅力的な企画内容となるように作業を進めて参ります。東京での開催は、平成6年の第13回以来26年振りとなりますが、メルマガ読者の皆様方におかれても奮ってご参加いただきますようお願いいたします。  学会年次大会等の企画内容の見直しについては、平成29年7月の獣医学術部会の個別委員会である獣医師生涯研修事業運営委員会の報告「獣医師生涯研修事業の整備・充実について」において、学会年次大会や地区学会への参加により取得したポイントに基づき交付される「生涯学習認定証」等について、「生涯学習認定獣医師(仮称)」や「日本獣医師会認定獣医師(仮称)」として獣医療法上の広告が可能となるよう関係省庁へ働きかけるべきと提言されています。  また、研修カリキュラムについても、診療技術の進歩や獣医療を巡る診療・職場環境等の進展を踏まえた見直しが必要とされています。  現在、獣医療法に基づく広告規制については、保険診療が主体となっている人の医療法に基づく規制と比較し、極めて厳しい制限がなされています。  しかし、平成30年6月1日に施行された改正医療法では、これまで広告規制の対象外とされてきた医療機関のホームページが規制の対象とされたことに伴い、ホームページを規制対象外としてきた獣医療でも規制対象とすることが検討されています。  その規制見直しに伴う激変緩和の観点から、獣医療法に基づく広告規制の緩和が検討されると聞いています。この機会を捉え、「生涯学習認定獣医師(仮称)」等の称号について広告可能とするとともに、研修の内容等についても広告される称号に見合う充実したものとなるよう検討を進めて参ります。  今後とも、学会年次大会等に参加される獣医師の皆様方の期待に応えることができるよう、学会活動にとどまらず尽力して参りますので、引き続きご理解とご支援を賜りますようお願いいたします。 平成30年11月2日 公益社団法人 日本獣医師会 会長 藏内勇夫

バックナンバー

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会長短信「春夏秋冬(18)」「魅力ある組織の発展を期待 -新たな挑戦元年に-」(平成27年1月22日)
会長短信「春夏秋冬(17)」「気持ちも新たに年を越します」(平成26年12月22日)
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会長短信「春夏秋冬(13)」 「人とペットとの共生社会の構築を」(平成26年8月21日)
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会長短信「春夏秋冬(10)」 「地方獣医師会との連携を強化し、迅速な課題解決に向けた更なる決意」(平成26年5月16日)
会長短信「春夏秋冬(9)」 「獣医師会の約束」(平成26年4月21日)
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会長短信「春夏秋冬(7)」 「共に歩む日本獣医師会に期待を」 (平成26年2月20日)
会長短信「春夏秋冬(6)」 「目標実現の年に」 (平成26年1月17日)
会長短信「春夏秋冬(5)」 「新しい年に向かって」 (平成25年12月18日)
会長短信「春夏秋冬(4)」 「私の活動の原点は動物愛護運動から」 (平成25年11月19日)
会長短信「春夏秋冬(3)」 「五十嵐幸男先生のご逝去に接し」 (平成25年10月17日)
会長短信「春夏秋冬(2)」 「広く国民の理解の下で狂犬病対策の推進を」 (平成25年9月17日)
会長短信「春夏秋冬(1)」 「本会の発展はスピードある対応と組織行動で」 (平成25年8月17日)
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