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会長短信「春夏秋冬」

会長短信「春夏秋冬」はメールマガジン(メルマ日獣)に掲載しています

会長短信「春夏秋冬(17)」

「気持ちも新たに年を越します」
 寒さが一段と厳しくなり、降雪や豪雪、それに伴う雪害のニュースが連日報道されております。  会員並びに構成獣医師の皆様におかれては、お元気で御活躍のことと存じます。今年も大変お世話になりました。皆様のご協力とご指導により、無事に新年を迎えることが出来ます。  この度の衆議院選挙では、構成獣医師の皆様方のご理解とご協力によって、大変すばらしい結果を残すことが出来ました。特に今回、自由民主党の政権公約の中に「ペットのマイクロチップ装着についての検討を進めるとともに、動物由来の共通感染症の予防等にも取り組みます。」が明記されました。この公約が実現し、本会の一層の発展に結び付けたいと期待しております。  日本獣医師会雑誌の平成27年新年号に、次のようなご挨拶を掲載いたしました。  「近年、我が国の周辺諸国では、口蹄疫や鳥インフルエンザ等の重篤な家畜感染症が流行し、我が国と同様に長年にわたり狂犬病清浄国であった台湾において、野生動物に狂犬病の発生が確認されました。また西アフリカではエボラ出血熱の流行が拡大する等、越境感染症の国内への侵入リスクが大きくなっております。一方、国内では豚流行性下痢の流行や人でのデング熱の発生が見られたように、国民生活の安全と安心を守り、畜産の振興とその持続的発展を図る上で、家畜の保健衛生の向上、食の安全性の確保や人と動物の共通感染症に対する不断の備えが一層強く求められています。さらに、犬や猫等の家庭飼育動物が家族の一員として大きな役割を果たす中、人と同様にこれらの動物の高齢化に対する高度獣医療の貢献が、また人の医療や福祉、さらに学校教育での動物介在活動も強く求められています。  これらの点から、獣医師が「One World, One Health」の実現に向けて貢献することは大変重要であります。そこで、獣医師が動物の保健衛生の向上、畜産の振興、公衆衛生の向上、動物福祉の推進等の社会の期待に十分に応えられるように、日本獣医師会では組織を挙げて支援し、特に感染症に対する防疫体制、獣医療提供体制、獣医師人材の育成に向けて、新年を迎えて新たな決意で一層活動を強化してまいります。  今日の社会は、急激なグローバル化の進展、市場原理や限りない規制緩和、経済性や利便性を過剰に追求する風潮と個人主義の広がり、倫理観や自らが果たすべき責任感の希薄化等が相まって、これまでに経験したことのない複雑な状況に直面しています。しかし、いかなる状況下においても、日本獣医師会の歩む道に失敗や減速は許されず、適切かつ迅速な決断と行動によって、魅力ある組織に整備し発展することが強く求められます。特に、本会は、地方獣医師会と構成獣医師に対し、また国内外の社会全体に対し、与えられた責務を確実に遂行し、さらに、将来に向けた実行性のあるグランドデザインとビジョンを構築しなければなりません。そのためには、地方会並びに構成獣医師の皆様と情報を共有し、一体となって課題に取り組み、積極的に検証し、解決に向けてポジティブな議論と意思決定を図らなければなりません。  そこで、日本獣医師会は、現在、取り組んでいます諸課題の解決に向けた進捗状況やその成果を、自ら点検と評価を行い、その結果を地方会と構成獣医師の皆様にご報告し、議論を高めてまいります。いうならば、自己点検と評価を行うことによって、自らが活動を検証し、その検証結果を活動に反映させ、常に緊張感を持って課題に取り組む必要があります。また、これまで継続してきた事業についても、将来の発展的メリットが見出せるように広く議論を行い、スクラップ・アンド・ビルドや費用対効果の原則に基づいて改善を図る必要があります。特に、組織基盤と財政基盤の強化、今日的課題の取り組みの検証等、従来の考えに固執しない柔軟性の発想やニューパブリックマネージメントの理念であるPDCAサイクルを取り入れて改革する必要があります。必要に応じて軌道修正すべき点は勇気を持って取り組み、本会の持続的な発展を目指してまいります。」  本年最後の会長メールマガジンの送信にあたり、改めて日本獣医師会の会員並びに構成獣医師の皆様方に、ご協力に対する御礼と、明年のご活躍、ご健康とご多幸をお祈りし、ご挨拶といたします。 平成26年12月22日 公益社団法人 日本獣医師会 会長 藏内勇夫

バックナンバー

会長短信「春夏秋冬(63)」「己亥は、十分な準備をして果敢にチャレンジし、発展する年」 (平成31年1月31日)
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会長短信「春夏秋冬(51)」「平成30年度に向けた政策要請」 (平成29年12月6日)
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会長短信「春夏秋冬(48)」「SFTS対応等による”One Health”の実践の強化に期待」 (平成29年8月22日)
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会長短信「春夏秋冬(45)」「平成29年度はアジアの獣医師が活躍する年に」 (平成29年4月19日)
会長短信「春夏秋冬(44)」「獣医学術学会年次大会【石川】の成功と、OIEとの連携への期待」 (平成29年3月31日)
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会長短信「春夏秋冬(42)」「獣医学部新設の検証なき矛盾だらけの決定に怒り」 (平成29年1月30日)
会長短信「春夏秋冬(41)」「私が選んだ2016年日獣10大ニュース」 (平成28年12月27日)
会長短信「春夏秋冬(40)」「“One Health”国際会議の成功を歓び、禍根を残す無責任な特区決定に憤りを」 (平成28年11月22日)
会長短信「春夏秋冬(38)」「諸事の繋がりを大切に」 (平成28年9月30日)
会長短信「春夏秋冬(37)」「AIPO活動の再開への期待」 (平成28年8月29日)
会長短信「春夏秋冬(36)」「日本獣医師会によるアジア地域獣医師研修事業の再開」 (平成28年7月15日)
会長短信「春夏秋冬(35)」「外圧に屈せず一枚岩の団結で」 (平成28年6月24日)
会長短信「春夏秋冬(34)」「広域的な被災ペット救護支援」 (平成28年5月26日)
会長短信「春夏秋冬(33)」「災害に備える」(平成28年4月21日)
会長短信「春夏秋冬(32)」「AMR アクションプラン」(平成28年3月23日)
会長短信「春夏秋冬(31)」「日本獣医師会獣医学術学会年次大会【秋田】開催迫る」(平成28年2月19日)
会長短信「春夏秋冬(30)」「第2回One Healthに関する国際会議の開催決定」(平成28年1月22日)
会長短信「春夏秋冬(29)」「驚きのニュース」(平成27年12月18日)
会長短信「春夏秋冬(28)」「医師と獣医師との連携による感染症の解明」(平成27年11月19日)
会長短信「春夏秋冬(27)」「獣医師一人一人との繋がりこそ力(チカラ)」(平成27年10月16日)
会長短信「春夏秋冬(26)」「獣医師によるOne Healthの実践」(平成27年9月18日)
会長短信「春夏秋冬(25)」「新役員体制でのスタート」(平成27年8月19日)
会長短信「春夏秋冬(24)」「第72回通常総会を終え、二期目のスタートに思う」(平成27年7月23日)
会長短信「春夏秋冬(23)」「世界獣医師会と世界医師会の共催によるOne Health国際会議で講演」(平成27年6月19日)
会長短信「春夏秋冬(22)」「中国獣医協会の皆様を迎え、有意義な意見交換」(平成27年5月22日)
会長短信「春夏秋冬(21)」「All Japan Pet Expo in Tokyo及びインターペット -人とペットの豊かな暮らしフェア- に参加して」(平成27年4月21日)
会長短信「春夏秋冬(20)」「獣医師として巣立つ卒業生の皆さんに対する期待」(平成27年3月16日)
会長短信「春夏秋冬(19)」「マイクロチップ装着による個体識別推進シンポジウムに出席して」(平成27年2月25日)
会長短信「春夏秋冬(18)」「魅力ある組織の発展を期待 -新たな挑戦元年に-」(平成27年1月22日)
会長短信「春夏秋冬(17)」「気持ちも新たに年を越します」(平成26年12月22日)
会長短信「春夏秋冬(16)」「日本医師会との連携シンポジウムを開催して」(平成26年11月14日)
会長短信「春夏秋冬(15)」「地区獣医師大会に出席して」(平成26年10月23日)
会長短信「春夏秋冬(14)」 「意識改革によって組織の整備・充実を」(平成26年9月25日)
会長短信「春夏秋冬(13)」 「人とペットとの共生社会の構築を」(平成26年8月21日)
会長短信「春夏秋冬(12)」 「地方獣医師会との連携を強化し、迅速な課題解決に向けた更なる決意」(平成26年7月17日)
会長短信「春夏秋冬(11)」 「国際馬術競技大会に不可欠な獣医師会の支援」(平成26年6月20日)
会長短信「春夏秋冬(10)」 「地方獣医師会との連携を強化し、迅速な課題解決に向けた更なる決意」(平成26年5月16日)
会長短信「春夏秋冬(9)」 「獣医師会の約束」(平成26年4月21日)
会長短信「春夏秋冬(8)」 「平成25年度獣医学術学会年次大会(千葉)が成功裏に終了」(平成26年3月20日)
会長短信「春夏秋冬(7)」 「共に歩む日本獣医師会に期待を」 (平成26年2月20日)
会長短信「春夏秋冬(6)」 「目標実現の年に」 (平成26年1月17日)
会長短信「春夏秋冬(5)」 「新しい年に向かって」 (平成25年12月18日)
会長短信「春夏秋冬(4)」 「私の活動の原点は動物愛護運動から」 (平成25年11月19日)
会長短信「春夏秋冬(3)」 「五十嵐幸男先生のご逝去に接し」 (平成25年10月17日)
会長短信「春夏秋冬(2)」 「広く国民の理解の下で狂犬病対策の推進を」 (平成25年9月17日)
会長短信「春夏秋冬(1)」 「本会の発展はスピードある対応と組織行動で」 (平成25年8月17日)
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