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会長短信「春夏秋冬」

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会長短信「春夏秋冬(27)」
「獣医師一人一人との繋がりこそ力(チカラ)」
 9月24~26日、アジア獣医師会連合(FAVA)代表者会議に出席するため、モンゴル国の首都ウランバートルを訪問する機会を得ました。その会議の概要は別途ご報告するとして、同国滞在中に私にとって大変嬉しいことがありましたのでご紹介いたします。
 本会は、平成4~14年度に(財)全国競馬・畜産振興会の助成を得て、国際獣医師育成研修事業としてアジア諸国の獣医師を我が国の獣医系大学に招聘して先端獣医技術を修得させる事業を行いました。本事業には、モンゴルからも合計19人の獣医師が研修を受けましたが、FAVA代表者会議終了後の夜遅くになったにもかかわらず、9人の研修修了者の獣医師達が、私達を歓迎すべく待ってくれているというではありませんか。
 実は、モンゴル獣医師会のウルチトグトクツェデフ会長も研修修了者の一人であり、既に8月29日に新潟で開催された中部地区獣医師大会の場でお会いしていました。その他の参加者も、獣医業界や大学など各方面の指導者として活躍されている方々ばかりであり、ほかに県知事もおられるとのことでした。
 モンゴルでは馬の飼養が盛んであり、獣医師が重要な役割を果たし、国民から高い評価を受けていることを実証するものと言えるでしょう。
 今回、初めて馬乳酒をご馳走になりましたが、実は馬乳に好みによりウォッカを混ぜて飲むということを知りました。
 また、女性がスカートのまま馬に飛び乗り、鞭を入れて疾走させるのには驚きました。このように、モンゴル滞在の間、大変友好的な歓待を受けました。
 研修修了者との懇談の中で、彼らは「日本獣医師会のお陰で今の自分達はある。大いに感謝している。」と述べてくれました。私からは、日本とモンゴルの架け橋となっていただくようお願いしたところ、「日本の為になるのであれば、何でも言って欲しい。」との答が返ってきて、私にとってこんなに嬉しいことはありませんでした。そして、人を育てること、人との繋がりを大切にすることが如何に大事なことか、深く感銘を受けた出来事でした。
 本会は、FAVAメンバー20カ国の中で最大のスポンサーですが、残念ながら言葉のハンデもあり、その意志決定や運営における活動は十分とは言えません。しかし、先日、難航していたTPP交渉で大筋合意が達成されるなど、経済活動の国際化の進展は避けられない情勢となっています。
 今回のTPP交渉においては、獣医師の相手国への派遣によるサービスの提供については議論されていないようですが、越境サービス分野の交渉においては、自然人(個人)の移動によるサービス提供について差別を行ってはならない等のルールが規定されています。
 将来的には、獣医師の移動による獣医療サービスについても交渉の俎上に上ることも懸念されます。
 農林水産省においても、このような各分野における国際化の進展、国際ルールの設定に備え、国際機関への人材派遣、関係国の類似機関との連携協定の締結等に積極的に取り組む中で、人の繋がりを重要視しています。
 現に、獣医技官の中でも、消費・安全局の川島審議官がOIEの理事、辻山調査官が食品安全基準の設定を行うCodex委員会の副議長として活躍されています。
 このような情勢の中、本会においては、獣医学術部会等において「国際交流の在り方」等について検討を進めることにしています。
 前回ご紹介した「第2回世界獣医師会・世界医師会”One Health”に関する国際会議」の我が国での開催も、世界中の獣医師や関係者の方々と繋がりを築く絶好の機会となることでしょう。
 本会は、世界獣医師会やFAVAのほか、OIE等の国際機関とも密接な連携を取りつつ、獣医療における国際ルール作りにも積極的に関与すべき役割を背負っています。
 そして、その使命達成のためには、関係機関との連携と共に、アジアを始めとする世界の獣医師一人一人との繋がりが重要であり、強い力となります。
 今回のモンゴル訪問は、このことを改めて実感する良い経験となりました。

平成27年10月16日 公益社団法人 日本獣医師会 会長 藏内勇夫

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