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会長短信「春夏秋冬」

会長短信「春夏秋冬」はメールマガジン(メルマ日獣)に掲載しています

会長短信「春夏秋冬(64)」

「天皇陛下在位30年記念式典に参加しての想い」
 平成31年2月24日(日)に国立劇場で開催された「天皇陛下在位30年記念式典」に、私も日本獣医師会を代表して出席しました。  式典では、天皇・皇后両陛下をお迎えし、沖縄出身歌手の三浦大知さんが「歌声の響」を熱唱されました。  この歌は、天皇陛下が皇太子時代の昭和50年に初めて沖縄を訪問された際に、ハンセン病療養所の入所者たちが感謝の意を伝えようと沖縄の船出歌「だんじょかれよし」を涙ながらに合唱したことに由来するものです。「だんじょかれよし」とは、沖縄言葉で「まことにめでたい」という意味だそうです。  天皇陛下はこの歓待に感銘され、沖縄伝統の「琉歌」の形で歌を詠まれ、これに皇后陛下が作曲された思い出の曲が「歌声の響」とのことで、参加者一同も感銘しつつ聞き入りました。  天皇陛下のお言葉の中で述べられた「近現代において初めて戦争を経験せぬ時代を持ちました」、「日々国の安寧と人々の幸せを祈り、象徴としていかにあるべきかを考えつつ過ごしてきました」、「災害の相次いだこの30年」など、時折涙声で国民に感謝の思いを述べられている陛下のお言葉をお聞きしていると、陛下の特別の思いが伝わってきました。  特に、天皇陛下が原稿を読み間違えられた際に、皇后陛下が気付かれてそっとお言葉をかけられ、天皇陛下が「あ、そうか。有り難う。」と述べられて、再び読み始められたご様子を拝見し、失礼ながら大変親しみを感じました。  引き続き2月26日(火)には、「宮中茶会」に出席しました。茶会と言っても、天皇・皇后両陛下や皇族各殿下が、アルコールや食べ物も振る舞われつつご歓談される場であり、各界の代表者がモーニング姿で参加されていました。  日本医師会の横倉会長もご出席でしたが、秋篠宮殿下からは「ワンヘルスはとても大切なことです。しっかり頑張ってください。」とのお言葉を頂戴しました。  ご承知のとおり皇室は、天皇陛下は魚類のハゼの分類、皇太子殿下は水問題、秋篠宮殿下は本会の学術学会でも基調講演を頂戴した家禽類の育種、黒田清子さんはカワセミと、それぞれワンヘルスに関連する研究に取り組んでおられます。  ワンヘルスについては、平成25年11月に本会と日本医師会が学術連携協定を締結したことを皮切りに、平成28年11月までに55地方獣医師会すべてで同様の協定を地域の医師会と締結し、全国的にワンヘルスの実践体制が構築されています。  このワンヘルスについては、平成28年11月に北九州市で開催した「世界獣医師会-世界医師会”One Health”に関する国際会議」で採択・公表された「福岡宣言」、平成30年1月に台湾で調印された「東アジア三カ国獣医師会連携協定(MOU)」等を踏まえ、世界獣医師会(WVA)、アジア獣医師会連合(FAVA)、国際獣疫事務局(OIE)等を含めた国内外の関係機関とも連携し、実践活動を推進して参ります。  今回、日本獣医師会会長として平成最後となる宮中行事等に出席させていただく機会を得ましたが、ワンヘルスの取組みが如何に重要なものであるか、日本獣医師会会長として、また一人の獣医師として、その果たすべき使命の重みを実感する機会となりました。 平成31年2月28日 公益社団法人 日本獣医師会 会長 藏内勇夫

バックナンバー

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会長短信「春夏秋冬(19)」「マイクロチップ装着による個体識別推進シンポジウムに出席して」(平成27年2月25日)
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会長短信「春夏秋冬(17)」「気持ちも新たに年を越します」(平成26年12月22日)
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会長短信「春夏秋冬(15)」「地区獣医師大会に出席して」(平成26年10月23日)
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会長短信「春夏秋冬(12)」 「地方獣医師会との連携を強化し、迅速な課題解決に向けた更なる決意」(平成26年7月17日)
会長短信「春夏秋冬(11)」 「国際馬術競技大会に不可欠な獣医師会の支援」(平成26年6月20日)
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会長短信「春夏秋冬(8)」 「平成25年度獣医学術学会年次大会(千葉)が成功裏に終了」(平成26年3月20日)
会長短信「春夏秋冬(7)」 「共に歩む日本獣医師会に期待を」 (平成26年2月20日)
会長短信「春夏秋冬(6)」 「目標実現の年に」 (平成26年1月17日)
会長短信「春夏秋冬(5)」 「新しい年に向かって」 (平成25年12月18日)
会長短信「春夏秋冬(4)」 「私の活動の原点は動物愛護運動から」 (平成25年11月19日)
会長短信「春夏秋冬(3)」 「五十嵐幸男先生のご逝去に接し」 (平成25年10月17日)
会長短信「春夏秋冬(2)」 「広く国民の理解の下で狂犬病対策の推進を」 (平成25年9月17日)
会長短信「春夏秋冬(1)」 「本会の発展はスピードある対応と組織行動で」 (平成25年8月17日)
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