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会長短信「春夏秋冬」

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会長短信「春夏秋冬(23)」
「世界獣医師会と世界医師会の共催によるOne Health国際会議で講演」
 2015年5月21日(木)~22日(金)、スペインのマドリードで開催された「One Healthに向けて医師と獣医師の協力強化」と題する国際会議に出席し、講演する機会がありました。
 本会議には、40ヶ国から獣医師及び医師330名が出席し、人と動物の共通感染症、抗菌剤耐性、環境汚染等の対策について、医師と獣医師がどのように連携して取り組み、解決するかについて熱心に話し合われ、大変有意義な会議でした。出席者の2/3は獣医師、1/3は医師でした。本会議には、私を含めた日本獣医師会グループと横倉会長を中心とした日本医師会グループが参加しました。
 5月21日(木)の開会式では、スペイン保健省長官のDr.カルロス・ヘスス・モノレサンチェス、WVA会長のDr.レネ・カールソン、WMA会長のDr.ザビエル・ドゥー、スペイン獣医師会長のDr.ファンホセ・バディオラ・ディエス、スペイン医師会長のDr.ファン・ロドリゲス・サンディン、FAO/OIE/WHO代表のDr.カティンカ・デボローから、いずれも本会議の成果を期待することが熱く語られました。
 22日午後14:30~16:30、スペイン医師会会長のDr.ファン・ロドリゲス・サンディンが座長となり、「自然災害のマネジメント、備えと医師・獣医師の連携」をテーマに取り上げた討議では、まず横倉日本医師会会長が「日本における2011年大震災と福島原発事故、経験と復興に向けての医師と獣医師の連携」を講演されました。次いで、私は、「東日本大震災からの復興と期待、獣医師の役割とその展望」について講演しました。
 私の講演では、冒頭に国土交通省から提供された防災カメラ映像による津波襲来の動画を映写し、次いでパワーポイントを用いて、以下の内容を出席者の皆さんに伝えました。
 「2011年3月11日に三陸沖で発生したマグニチュード9.0、最大震度7の巨大地震と、それに伴う津波による東日本大震災で、2万人を超す死者と行方不明者が生じました。さらに、その津波によって東京電力福島第一原子力発電所で事故も発生しました。4年が経過した現在、被災地での復興は確実に進んできましたが、いまだ23万人が避難生活を続けています。
 この大震災では、多くの人々が亡くなり、行方不明になり、また多くの家庭飼育動物や家畜も死亡しました。震災直後、日本獣医師会は、被災動物の救護や保護、傷病動物の治療、避難所や仮設住宅で暮らす動物の飼い主への飼育相談、動物救護活動を行う獣医師への支援、動物救護シェルターの運営に協力してきました。特に、日本獣医師会と動物愛護の関連団体が協力して運営に当たってきた「緊急災害時動物救援本部」が、大いに機能を発揮しました。日本獣医師会は、国民が求める生活基盤の確保や生活向上に向けて、動物の診療と疾病予防の指導、食品や環境の衛生監視と安全性の確保、人と動物の共通感染症の予防に取り組んでいます。
 また日本獣医師会は、今後も発生する可能性がある大震災への総合的対策の推進や、2012年に世界医師会と世界獣医学協会が協力に関する覚書を締結したことを契機に、2013年11月20日に日本医師会と「One World, One Health」の理念を実現するため、学術協定を締結しました。さらに22の地方獣医師会も、地方医師会と同様な趣旨で学術協定を取り交わしました。このように、日本獣医師会は、日本医師会と協力し、東日本大震災からの復興、安全で安心な社会の構築と発展のため、全力で取り組んでいます。」
 講演終了後、会場からスタンディングオベーションが起こり、大変面食らいました。出席されていた方々から聞いたところ、本会議の中で最も拍手が大きかったそうです。私は、これまでの学会やシンポジウムの席で、スタンディングオベーションを見た経験がなく、私の講演が出席者の心に強く訴えたことは、ここに至るまで協力いただいた獣医師会の皆さんのおかげと、感謝の気持ちで一杯です。
 その後の質疑応答では、放射能汚染は問題ないのか、汚染は完全に除去できるのか、日本ではどうして円滑に医師会と獣医師会の連携が進んでいるのか等の質問があり、丁寧にしかも明瞭に回答できたと思っています。
 会議の終了後に、在スペイン日本大使公邸において、越川和彦特命全権大使主催の慰労の会に日本獣医師会及び日本医師会関係者全員をお招きいただき、楽しいひと時を過ごしました。今後も機会があれば国際会議や国際シンポジウムに出席し、日本獣医師会の活動を積極的にアピールしていきたいと考えています。

平成27年6月19日 公益社団法人 日本獣医師会 会長 藏内勇夫

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