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会議報告

平成20年度第3回理事会の開催

 平成20年度第3回理事会が,平成20年12月3日,明治記念館「丹頂」において開催された.
 本会議では,協議事項として,「新公益法人制度移行に向けての対応の件([1]新制度移行に向けての取り組み,[2]日本動物保護管理協会からの要請に対する対応)」について協議し,了承され,次に説明事項として,[1]「動物診療における動物看護職の位置づけ等に関する件」,[2]「日本獣医師会創立60周年記念事業の件」について説明された後,議決事項として,「日本獣医師会職員就業規則の一部改正の件」について異議なく可決承認され,さらに報告事項として,[1]「業務概況等の件」,[2]「要請活動等の件」,[3]「獣医学教育改善を巡る事情の件」,[4]「部会委員会の運営状況の件」,[5]「平成20年度地区獣医師大会の開催状況及び地区大会採択の決議要望事項の件」,[6]「日本獣医師会学会年次大会(岩手)への参加登録推進及び平成21・22年度年次大会開催計画の件」,[7]「日本獣医師会獣医学術奨励賞(学術賞及び功労賞)選考結果の件」,[8]「2008 動物感謝デー in Japanを開催した件」,[9]「土地賃貸借契約の契約更新の件」及び[10]「四国地区における公務員獣医師の処遇改善に関する要請活動の件,他」について報告された.(第3回理事会の議事概要は下記のとおり).


平成20年度第3回理事会の議事概要
I  日 時:平成20年12月3日(水)10:30〜13:00
II 場 所:明治記念館 2階「丹頂」
III 出席者:
会   長: 山根義久
  副 会 長: 藏内勇夫,中川秀樹
  専務理事: 大森伸男
  地区理事: 波岸裕光(北海道),坂本禮三(東北),
橋三男(関東),手塚泰文(東京),
楠原征治(中部),谷 達雄(近畿),
唐木茂樹(中国),岡本和夫(四国),
麻生 哲(九州地区)
  職域理事: 酒井健夫(学術・教育・研究),
近藤信雄(開業(産業動物)),
細井戸大成(開業(小動物)),
横尾 彰(家畜共済),
戸谷孝冶(畜産・家畜衛生),
森田邦雄(公衆衛生)
  監   事: 金田義宏,桑島 功,玉井公宏

IV 議 事:
 【協議事項】
 新公益法人制度移行に向けての対応の件
 1 新制度移行に向けての取り組み
  (組織,会計・経理及び事務・事業運営の点検・整備)
 2 日本動物保護管理協会からの要請に対する対応
 【説明事項】
 1 動物診療における動物看護職の位置づけ等に関する件
 2 日本獣医師会創立60周年記念事業の件
 【議決事項】
 日本獣医師会職員就業規則の一部改正の件
 【報告事項】
 1 業務概況等の件
 2 要請活動等の件
 3 獣医学教育改善を巡る事情の件
 4 部会委員会の運営状況の件
 5 平成20年度地区獣医師大会の開催状況及び地区大会採択の決議要望事項の件
 6 日本獣医師会学会年次大会(岩手)への参加登録推進及び平成21・22年度年次大会開催計画の件
 7 日本獣医師会獣医学術奨励賞(学術賞及び功労賞)選考結果の件
 8 2008動物感謝デー in Japanを開催した件
 9 土地賃貸借契約の契約更新の件

V 会議概要:
 【会長挨拶】
 冒頭,山根会長から次の挨拶がなされた.
 本日の第3回理事会に,師走ともなり非常に多忙な中,ご出席いただきありがとうございました.日ごろより獣医師会の活動に対して,ご理解とご支援をいただきますこと,改めて厚く御礼を申し上げます.
 6月の通常総会から約5カ月経過したが,その間にもいろいろ物事が進んだ.一つは,9月1日に全国のAHT,動物看護職の教育機関に声をかけ,看護職の制度化に向けての説明会を開催した.来年1月の岩手での学会年次大会の開期に合わせ,協会設立の発足式が開催される予定と,順調に進んでいることを報告する.
 また,看護職の制度化に向けては,国民の理解,納税者の理解がなくては事が進まないといった意味もあり,地方獣医師会の皆様の協力をいただき,10月4日,駒沢公園で動物感謝デーin Japanを開催したことを報告する.
 6月には獣医師問題議員連盟の総会を自民党本部で開催いただいた.獣医学教育の充実について,そして勤務獣医師の処遇問題について鋭意説明申し上げ,理解を求めたが,そういった活動展開のもと,文部科学省が昨年,大学再編のための調査費を30億円計上した.何しろ大学というところは旧態依然としている.新しい波に乗り切れない面がある.私も大学人として大いに反省しているが,いかんともしがたいのは,10国立大学の学長が何としても再編はよろしくないと.いわゆる新学部構想を再編ととらえて,反対が非常に強かったということで,結局は護送船団方式のいわゆるお茶を濁すような計画書しかできなかった.しかしながら,災い転じて福となすではないが,それではだめだということにようやく気づいて,より深いところで具体的な活動展開が今起こっている.
 そして,文部科学省と農林水産省の2省でこの8月に会合を持っていただいた.その結果,12月17日に「獣医学教育の改善・充実に関する調査協力者会議」を開催いただくところまで来て,何らかの結果が出るのではないか.うまくいけば,これが獣医学教育の再編整備につながっていくのではないかと私は大いに期待している.
 この5カ月でいろいろあったが,一つ心配するのは,この12月から公益法人制度改革がスタートした.この問題は各地方獣医師会によって,温度差がかなりあるようだが,これは避けて通れない問題であり,これを機に逆手をとって,獣医師会の改革に手をかけるべきではないか,手をつけるべきではないかと思っている.既に中央畜産会と全国家畜畜産物衛生指導協会等々の吸収合併の問題も進んでいる.近々には臨時総会が開催されるが,獣医師会においても,いろいろな団体・学会等々の合併問題が浮上してきている.こういった問題も含めて,獣医師会の組織を考えなければならないのではないかと思っている.そのためには皆様の理解と支援がなければ何一つ進まない.
 もう一つは,獣医師会の運営をどうするかということである.農林水産省を始めJRA等を経由しての補助事業等の問題が非常に厳しくなっている.日本獣医師会の運営を考えるときには,やはり何を言っても会費問題は避けて通れない.嫌なものにはふたをしろと,くさいものにはふたをしろという時期はもう過ぎたのではないかと思うわけである.今,試算していただいたが,日本獣医師会雑誌を1冊発送するのに,印刷費を含めて,1人200円かかるそうで,年間1人2,400円で,年間の6,000円の半分近くを投入しているわけで,1人3,000円で会を運用するということは現実と大きくかけ離れているのではないか.月に直すと,250円である.社団法人というものは,メンバーフィーで運用するのが大原則であるので,これで何ができるかということを考えていただければ,ということである.ましてや改革が進むと,相当縛りが強くなってくると私は思うわけである.今から我々は腹をくくる覚悟で,この改革にまい進しなければならない.ご理解とご支援のほど,お願いしたい.
 また,この来年の1月には,岩手県獣医師会の金田会長をはじめ,関係各位の大変なご苦労のもと,年次大会が開催される.どうか地方に帰られたら,一人でも多く参集いただけるようご理解とお願いをする次第である.
 また本日,午後2時から全国獣医師会会長会議が開催される.また明日には,本会創立60周年記念式典が開催される.どうかこの点においても,各理事のご理解とご支援をお願いしたい.



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