本症は、通常は発症を伴わない不顕性感染を呈しますが、ストレスが加わると呼吸器系の異常、発熱、消化器系の異常、運動器系の異常、神経系の異常、泌尿・生殖器系の異常(流産胎子の皮下浮腫)など多様の症状を示す伝染病です。
 散発性牛脳脊髄炎は3歳以下の牛に多く、多発性関節炎は、新生子牛で重篤かつ致死率が高いといわれています。人にも感染(オウム病とも呼ばれる)するため、妊婦が病牛などへ接触することに注意する必要があります。ストレスや混合感染により肺炎、結膜炎、下痢、精巣炎を起こし、とくに初乳未摂取子牛に肺炎が集団発生することがあります。
 流行性流産は、年齢・季節に関係なく、妊娠7〜8ヵ月の後期に発生し、流産胎子には顕著な皮下浮腫や粘膜の点状出血および多量の腹水がみられます。散発性脳脊髄膜炎は散発的に発生し、発熱と球節のナックル、旋回運動、四肢の麻痺などの神経症状を起こします。多発性関節炎は1〜2週齢の子牛にみられ、発熱、全身の関節炎による跛行や強直姿勢を示し、運動を嫌います。
 テトラサイクリン系抗生物質投与による治療と予防を実施します。また、畜舎消毒などによる衛生管理を十分に行うことが大切です。一部の国では不活化ワクチンによる予防を実施しています。