本症は、体表面にかさぶたである痂皮を形成する伝染病です。
 本症の発生には高温・多湿の気象条件、栄養状態が関係します。感染は病牛との接触感染のほか、外部寄生虫に刺されたり、毛刈り、サシバエ、ブラッシングなどによる皮膚の損傷等により起こります。
 境界明瞭でおおむね円形で厚く盛り上がった痂皮が、背中、頭部、顔面、頸部、乳頭、乳房間溝など、湿めりやすい部分の皮膚にできます。皮膚面に0.5〜1.5cm大の隆起を多数生じるもの、ペンキ用の刷毛に似た痂皮が散発的にみられるもの、炎症性滲出をともなう2〜6cm大の結節斑を形成するものなどがみられます。特徴として、皮膚のフケや脱落毛を多量に付着させ、病原部被毛を逆立てることがあり、後に膿庖ができたり、病変部の皮膚が剥離することもあります。
 発病した牛に使用したブラシは、健康牛に使用しないことが重要です。皮膚病巣に対しては、痂皮の除去とヨード剤による消毒を行います。治療としては、ペニシリンとストレプトマイシン配合剤の大量投与が効果的です。