本症は、眼病を示す伝染病で、結膜や角膜に炎症を起こし、白目がピンク色にみえることから「ピンクアイ」とも呼ばれます。
 年間を通して発生がみられますが、夏から秋にかけて集団発生し、若齢牛や放牧牛に集団発生します。突然の発症と急速に伝染する傾向があります。伝播は牛同士の接触のほか、保菌牛に接触した昆虫や人を介して感染します。
 片側または両側の眼が感染します。初期には角膜中央部に2〜3mmの白斑が形成され、流涙が顕著となり、次第に角膜全体に及びます。牛はまぶしそうに眼を閉じ、周囲にホコリが多いと、涙に付着し顔面の毛や眼瞼周囲が汚れます。結膜の腫脹・充血および眼瞼の腫脹がみられます。さらに、流涙が著明となり、結膜充血や角膜の白濁がみられ、時には角膜に小さな陥没が認められます。症状が進むと、角膜の混濁は一層増加し、中心部を取り巻くように周縁部からの血管新生が起こり、ピンク色を示すのでピンクアイの状態が観察されます。炎症が眼の広範囲に及び、他の微生物の二次感染を受けやすく、角膜は混濁から潰瘍へと進み、視力は大きく障害されます。経過が長いと、角膜に穴が開き、眼球も化膿して破れ失明に至ります。
 患畜を隔離し、ハエやその他の有害昆虫の撲滅を図ることが大切です。早期に発見して、抗生物質の点眼を行うことが有効です。