本症は、真菌(カビ)に起因する胃腸炎で、消化器系の異常(食欲不振)を呈する伝染病です。
 原因となる真菌は、敷料、消化管、体表などに常在しています。本症は牛の抵抗力の低下や基礎疾患の存在にともない、日和見的に発生します。また、抗菌剤やステロイド剤の連用により発生(菌交代症)するともいわれていますので、発生は一般に散発的です。
 主要な症状は、食欲不振、下痢・嘔吐、発熱、可視粘膜の蒼白などですが、目立った症状はありません。
 生前診断は困難です。基礎疾患の有無や投与薬剤などを検討し、原因菌に適した抗真菌剤を投与しますが、一般的には著明な効果は認められません。