本病は、生後数日から1週間程度の新生子牛が急激に発症し、激しい水様性の下痢を示す伝染病です。
 下痢便あるいは下痢便に汚染した敷わら、器具、人などを介することで経口的に感染します。わが国では全国的に発生がみられ、本ウイルス汚染農場では、繰り返し流行を起こす傾向があります。生後数日から1週間程度で発病しますが、早い場合は生後すぐに発症する例もあります。
 感染後、12〜36時間の潜伏期間の後、発熱、食欲不振、元気消失、激しい水様性下痢を排泄します。下痢が長期間続くと、脱水症状から体液バランスが異常をきたしてアシドーシスを起こし、衰弱します。
 消毒を含めた畜舎環境の清浄化とカウハッチによる隔離哺育により、ウイルスの水平伝播を防ぐことができます。十分な初乳を給与しますが、母牛からの初乳摂取が十分でない場合は、凍結初乳や免疫グロブリン製剤の投与が有効です。治療は対症療法であり、下痢が持続する場合は、補液に努め、細菌の二次感染を抑えるために抗生物質を投与します。