本病は、呼吸器の異常、下痢、一過性の発熱、5〜6日の稽留熱などを主徴とし、経口、経鼻感染によって伝播する伝染病です。
 長距離輸送や放牧、集団飼育時に多発するため、輸送熱の原因の一つとなっています。わが国で分離されている7型は病原性が強く、海外で報告されている子牛の虚弱症候群や多発性関節炎の原因でもあります。
 発熱と呼吸器症状または下痢、あるいは両者の合併症状がみられます。感染してもほとんど無症状の場合から、発熱、流涙、鼻汁などの呼吸器症状や、血液を混ずる下痢がみられる場合もあります。40〜42℃の発熱が長期間持続し、元気・食欲の消失、呼吸器症状、結膜炎による流涙、血便をともなう激しい下痢が観察されます。子牛に感染した場合、発症率が高く、症状も重く、注意が必要です。
 生ワクチンが開発され、牛RSウイルス病、牛伝染性鼻気管炎、牛ウイルス性下痢・粘膜病、牛パラインフルエンザとの5種混合生ワクチンが市販されています。治療法は対症療法しかありませんが、細菌の二次感染を抑えるため、抗生物質を投与します。