本症は、泌尿・生殖器の異常、血色素尿、急性腎不全、黄疸などを呈する人獣共通感染症・届出伝染病です。
 レプトスピラ菌の感染により引き起こされます。本菌は野生動物、特に野ネズミが保菌しており、腎臓に存在する菌が尿中に排泄され、わが国では全国各地で発生が認められています。
 牛では、感染しても症状を示さない場合がほとんどです。発症例では発熱、食欲不振、貧血、血色素尿、黄疸、泌尿・生殖器系の異常、流死産などが認められています。
 ワクチン接種により流死産の軽減が図られていますが、わが国では発症例の少ないこともあってワクチン接種は実施されていません。治療では抗生物質(ストレプトマイシン)投与が行われますが、あまり有効ではありません。