本病は、体表リンパ節の腫大、頸部の膨張、皮膚の発疹など体表・外貌の異常を示す届出伝染病です。
 感染牛のリンパ球がアブの吸血、汚染した注射針、直腸検査用手袋などで体内を汚染することにより伝播されます。感染妊娠牛では胎子へ垂直感染が起こることがあります。地方病型(成牛型)では不顕性感染で移行するので、血液検査などによって感染牛を摘発し、感染牛と非感染牛を隔離します。また、まれに類似した散発型の子牛型、胸腺型、皮膚型もあります。
 感染牛はほとんど無症状ですが、感染牛の約30%に持続性リンパ球増多症がみられます。数ヵ月〜数年の不顕性感染期を経て、感染牛の0.2〜0.5%が発症します。発症牛では、体表リンパ節の腫大、頸部の膨張、皮膚の発疹、体腔内リンパ節の腫大(直腸検査で触診)、まれに眼球突出がみられます。末梢血液中に異形リンパ球が認められます。発症牛は予後不良です。

 牛群から感染牛の摘発・淘汰が最良の予防方法です。感染牛と非感染牛の隔離飼育または分別放牧も有効な予防法です。発症牛の有効な治療法はありません。