本症は、一般にIBRと呼ばれている呼吸器系の異常、新生子牛の起立不能を示す神経系の異常、成牛にあっては流産を呈する泌尿・生殖系の異常などがみられる届出伝染病です。
 ウイルスを含む鼻汁、流涙、生殖器分泌物などから呼吸器・生殖器感染が起こります。通常致死率は低いのですが、移行抗体を持たない子牛が感染すると症状は重く、致死率も高くなります。潜伏期間は2日程度です。
 感染牛は40℃以上の高熱と、呼吸困難、呼吸促迫、流涙、流涎、水様性鼻汁などの呼吸器症状を示します。成牛にあっては、乳牛では泌乳量が減少し、角結膜炎、流産など、新生子牛にあっては、髄膜脳炎による神経症状など、多様な症状を呈します。

 生ワクチンの使用で予防できますが、野外ウイルスの感染を防止することはできません。有効な治療法はありません。