本病は、体表に腫瘤、削痩、泌乳量の減少を呈するウイルス感染症で、体表の腫瘤による皮革の品質低下などの経済的な損失が大きい法定伝染病・海外伝染病です。
 河川の流域や低地での発生が多く、季節的には多湿な夏期に多くなります。主な伝播様式は、感染牛の唾液との接触感染または唾液で汚染された飼料や飲水による経口感染です。潜伏期間は通常4〜14日で、軽度の病変は2〜3週間で治癒しますが、回復には3ヵ月以上かかる場合があり、回復後も症状の痕跡が残ります。
 食欲不振、発熱のほか、全身、特に頸部、背側、脚部、外陰部などに数個〜数百個の結節・腫瘤がみられます。その他、泌乳量の減少や浮腫などが認められます。初期には、発熱、食欲不振、鼻汁、流涎が認められ、発熱後48時間以内に多数の結節・発疹が体表や呼吸器・消化器・生殖器の粘膜に現れます。結節の大きさは0.5〜5cmです。結節部は細菌感染により壊死を起こして潰瘍となり、痂皮を形成します。

 汚染国においては、生ワクチンによる予防が有効です。わが国のような清浄国においては、発生国からの家畜の輸入禁止と動物検疫所による摘発が重要です。万一、国内での発生が認められた場合には、早期の摘発・淘汰が必要となります。有効な治療法はありません。