本病は、不妊を主徴とし、妊娠6〜8カ月には流死産を呈し、牛の生産性の低下にもつながることから重要な法定伝染病、また人にも感染する人獣共通感染症の一つです。
 本症はわが国を含めて、一部清浄化に成功している国はありますが、広く全世界に分布しています。特に、胎盤は原因菌が増殖しやすく、流死産胎子、胎盤、悪露、汚染した敷料などにより、経皮・経口感染、または保菌雄牛を介した交尾感染などにより発症します。原因菌は乳汁にも排泄されるので、公衆衛生上および食品衛生上からも重要な疾病です。
 主な症状は、前駆症状を伴わないで、突然、妊娠6〜8カ月に生じる流死産です。流死産が牛群に引き続いて生じる場合には注意が必要です。また、不妊を呈することもあります。成牛で死亡することはまれで、子牛の感染はほとんどみられません。
 諸外国ではワクチン接種による予防が実施されていますが、わが国では定期的な検査を実施し、感染牛、保菌牛の早期摘発と淘汰が図られています。