本症は、消化器系の異常、生殖器系の異常などの症状を示す法定伝染病・海外伝染病で、人獣共通感染症です。
 伝播は吸血昆虫(イエカ、ヤブカ、ハマダラカなど)の媒介によって起こります。このため、大量の雨が降った後、蚊の大発生とともに流行を起こします。さらに、サシバエやヌカカの可能性も示唆されています。一般に幼若な反芻獣は死亡率が高く、家畜における経済的損失は深刻です。まれに、人にも感染します。潜伏期間は幼若な場合12〜24時間、成牛ではさらに長くなります。わが国での発生はありません。
 一般に肝炎を主症状とし、妊娠している場合は流死産、成牛では食欲不振、泌乳量の減少がみられます。1週齢以下では急激な発熱、虚脱がみられ、36時間以内に死亡し、死亡率は70〜80%にもなります。成牛では発熱、流涎、食欲不振を伴い、死亡率は10%程度です。
 有効な治療法はありませんが、予防法として不活化および生ワクチンが使用されます。生ワクチンでは流産の危険性があります。殺虫剤による吸血昆虫などの駆除も考えられますが、確実ではありません。