本症は、毎年、夏期に流行する発熱と神経症状などの神経系の異常、運動器系の異常を呈する法定伝染病です。
 わが国では日本脳炎のみが発生しています。本症は、吸血昆虫(主に蚊の一種であるコガタアカイエカ)によって伝播する人獣共通感染症です。感染した牛から健康な牛へ、もしくは人への感染は起こりません。わが国では、1996年に千葉県で繁殖和牛1頭に発生しました。
 発症した牛は脳炎をおこし、沈うつ、興奮、麻痺などの神経症状を示します。また、高熱が続き、食欲不振または廃絶がみられ、眼瞼反射を欠くなどの視覚障害、突進・旋回運動などの運動障害もみられます。
 牛に対する本症の予防法および治療法はありません。