チョーク病(届出)
概要
 本病はハチノスカビの寄生による蜂児(蛹)の死亡を招く疾病で、届出伝染病に指定されています。菌糸に覆われた死体(ミイラ)が白墨(チョーク)様にみえることからこの名称が付けられました。
主な原因
 病原体であるハチノスカビは巣内に常在し、蜂場の環境が、多湿で風通しが悪い場合は長期的に発生しやすく、春から秋まで散発的に発生がみられます。また、梅雨期から初夏にかけて、巣箱内の働き蜂の密度が高く、換気状態が悪いと発生しやすくなります。
主な症状
 本病に感染した蛹は、巣房内で菌糸に覆われ、最初は白色で、見かけ上チョークのようなミイラ状態(マミー)を呈します。胞子の形成に伴って、暗緑色から黒色を帯びることもあります。カビに覆われて死んだ蛹は働き蜂によって巣門の外に捨てられ、これが発症の確認になります。通常は時間の経過とともに自然に治癒します。
主な予防法
 早期の人工分蜂や巣脾(巣板)の枚数を増加しすぎるのを避け、巣内の温度を下げない工夫をするだけで、多くの場合、発生は防げます。また、蜂場の通風環境を改善することが最大の予防につながります。