バロア病(届出)
概要
 本病は、みつばちの成蜂および蜂児(蛹)に寄生するダニの吸血による障害全般を指します。このダニは世界的に分布しています。
主な原因
 ミツバチヘギイタダニは体長約1mm(雌成ダニ)で、もっぱら人為的に蜂群に伝播します。蛹の体表で増殖し、成蜂の体表にみられるのは雌成ダニのみです。
主な症状
 蛹期に受けた吸血により、羽化時に翅の伸長不良を起こし、奇形の翅や肢を持つ働き蜂がみられます。寄生程度が高い場合、蛹期後半から羽化までの間に死亡し、死体が巣門前に捨てられます。症状は時期によっても異なり、初夏まで雄蜂児巣房で増殖したものが、夏、働き蜂の蛹に一斉に寄生するため、強い群ほど顕著な被害が出ることがあります。
主な予防法
 本病の防除対策には、現在はピレスロイド系の殺ダニ剤であるフルバリネートを主成分とした薬剤が有効ですが、海外ではすでにこの薬剤に抵抗性のダニが出現しています。寄生率が低い場合には、有機酸(蟻酸、蓚酸、乳酸など)の燻蒸が有効です。蜂群や女王蜂の導入にあたっては十分な注意をし、また薬剤防除を行う場合には、蜂場単位で行う必要があります。