人や犬やねことの共通の主な病気
  必要以上にこわがることはありませんが

 人と共通した犬やねこの伝染病には、いろいろありますが、その主なものは、トキソプラズマ病、狂犬病、回虫症、サルモネラ菌症、真菌症、疥癬虫症などがあります。以下にそのあらましを述べてみましょう。

  1. トキソプラズマ病
  2. 狂犬病
  3. 回虫症
  4. サルモネラ菌症
  5. 皮膚病
  6. キャンピロバクター
  7. レプトスピラ病
トキソプラズマ病
  原因と感染源:トキソプラズマという原虫によって起りますが、この原虫は、人、犬、ねこ以外にも豚、牛、山羊、にわとり、ねずみ、さらに多くの野生動物に至るまで広く分布しています。人の健康検査では、普通人がすでに数%も感染して、しかも何ら障害がないことがわかっています。ねこは糞の中にトキソプラズマを排泄し、これが人体に入って感染を起します。しかし前にも述べたように、感染してもかならずしも発病するとはかぎりません。また犬は感染源になる可能牲はねこに比べて少ないと考えられています。むしろトキソプラズマの感染は、食肉(生の豚肉)からの機会の方が多いように考えられています。
  症状:呼吸器や消化管の異常に基づく症状が見られることもありますが、症状が現われないことも少なくありません。
  予防:すでに免疫がある婦人から生まれてくる子供は、先天性トキソプラズマ病になるということはまずないといっていいでしょう。したがって十分な注意は必要ですが、極端に神経質になる必要はないのです。要するにペットを衛生的に飼い、糞尿の始末を清潔に行い、ペットの健康に注意すれば感染の危険を防ぐことができましょう。

狂犬病
  原因:ウイルスによって人やペットをはじめ多くの動物に感染する不治の病です。このウイルスは、動物の唾液に出て咬傷によって感染します。
  症状:狂犬病にかかった動物は、一時狂ったようになり見さかいなく物を咬みます。また沈うつの症状を示すものもあります。ほとんどは咬むようになってから一週間前後で死にます。
  予防:一般に狂犬病をまん延させるのは、野犬や野生動物によることが多いものです。わが国では狂犬病の予防接種や野犬の捕獲が励行され、感染源になる野生動物が少なく、またペットの管理が比較的清潔である上に、海外からの侵入を防ぐ検疫が十分行われているため、昭和31年以来本病が発生していません。したがって現在は犬やねこから狂犬病がうつされる可能性は、皆無に近いといわれています。しかし犬の咬傷事故や狂犬病発生国からの輸入犬が多いので、常に十分な管理と予防接種を心がけましょう。

回虫症
  原因:犬の回虫症は子犬に多くみられる病気ですが、この犬回虫の幼虫が人間の口から入り込んで種々の障害を起すとされています。とくに子供にみられるものです。
  症状:幼虫が人間の身体の中を動きまわるために、筋肉や肝臓あるいは目や脳に障害を与えるといわれています。
  予防:糞便から人間にうつるわけですから、犬の糞便の処理を十分に行うことが必要です。全ての犬から感染するということではないので、それほど心配することはありませんが、子犬を飼うときは、いつも清潔にしておくことが、感染を予防する上からも大切です。

サルモネラ菌症
  原因:この病気はサルモネラ菌によって起ります。サルモネラ菌にはいろいろな種類があり、犬やねこばかりでなくねずみやカメに至るまで、多くの動物に分布しています。人では主に食中毒や腸炎を起します。
  症状:犬はサルモネラ菌を持っていても、比較的症状を示さないことがありますが、この場合でも菌は体外に排泄されています。
  予防:犬を清潔な環境に置くこと、ゴミなどをあさらせないこと、糞便を完全に始末することなどが、サルモネラ菌の人間への感染を防ぐ方法といえましょう。

皮膚病
  犬やねこの皮膚病のうちで、真菌や疥癬虫によるものは人間に感染することがあります。したがってこの点を良く確かめることが必要です。
  以上の外にも犬のブルセラ病、ねこのひっかき病など人間と共通の病気がないわけではありませんが常に清潔をこころがけ、糞尿や食器の取扱いに十分注意すれば、恐ろしいものではありません。

キャンピロバクター
  原因:キャンピロバクターという細菌によって起る食中毒です。
  症状:この細菌の侵入によって、犬やねこは下痢を起しこれが人間の口に入って人間も同様な下痢症を起すとされています。
  予防:犬やねこの糞から人間が感染するわけですから、糞便を確実に処理することが、予防につながります。

レプトスピラ病
  原因:この病気はレプトスピラという細菌によって感染が起ります。
  症状:犬が感染をしても症状を現わさないことが多いのですが、まれに、腎臓や肝臓に障害があらわれることがあるとされています。口や傷口からこの菌が入り人間も同様な症状を起すことがあるといわれています。
  予防:ワクチンによって予防できます。もし犬の尿中にレプトスピラが存在する場合があるとすれば、尿が直接人間の口や皮膚につかないように常に清潔に飼うことが大切です。予防注射によってその発生は実際にはかなり低いとされていますので、あまり心配することはないようです。


アカルス

アカルスに感染した犬

疥癬虫に感染したねこ