犬とねこの主な病気
  病気についてのミニ知識

 犬にもねこにも、病気の種類はたくさんあります。そのうちの主な病気についてだけでも知っておくことは、早期発見と治療に役立ちます。素人療法でこじらせたり、手遅れになるまで放っておくようなことをせず、早めに獣医師の診療を受けましょう。

    1. 犬の主な病気
    2. ねこの主な病気
犬の主な病気
  1. ウイルス性伝染病
    ア.ジステンパー
      原因:病犬との直接、または間接の接触によって伝染するウイルスによって起されます。
      症状:はじめ一過性の熱が出た後、すぐ平熱にもどります。次に発熱すれば、せき、下痢などが起り、さらにけいれんなどの神経症状が出ます。これらの症状は必ずしも定型的に現われないで、突然神経症状を現わすこともあります。
      予防:十分な免疫を持った母犬の初乳を飲んだ子犬達は3カ月問は、この病気に抵抗力を持っています。有効なワクチンがあり、生後3カ月前後に用いることが推奨されています。しかし、効力は1〜2年しかもたないので、毎年 1回、ワクチンを接種することが理想です。

    イ.伝染性肝炎
      原因:ウイルスによって起され.感染経路もジステンパーと似ています。
      症状:子犬がかかると突然、死亡することがあり、またときには目やにや食欲不振、下痢などを起し、長い経過をとる場合もあります。はじめに高熟を出しすぐ下がり、また上がることが多く、平熱の場合もあります。しかし平熱以下になる場合は危険の徴候です。
      予防:ジステンパーと同様にワクチンが有効で.通常混合ワクチンを使ってジステンパーと肝炎の両方を同時に免疫させる方法が用いられています。また効果的な免疫を得るためには、少なくとも毎年予防接種を行う方が安全です。

    ウ.パルボウイルス感染症
      原因:パルボウイルスというウイルスの感染によって起る伝染病です。
      症状:1978年頃から世界的に流行し始めた伝染病で、生後数週間の子犬が最も多く感染します。血の混った下痢便や嘔吐から始まり、1〜2日で脱水を起して数日で死んでしまうという極めて恐ろしい病気です。ときには心臓病も併発します。
      予防:ワクチンを使ってほぼ確実に予防することができます。生まれた子犬は獣医師の指導を受けて、適切にワクチンを注射してもらうことが大切です。

  2. 心臓病
      犬の心臓病で昔から最も恐れられているものに、犬糸状虫症(犬フィラリア症)がありますが、最近では、このほかにも、人間と同じように犬の平均寿命の延長に伴って、僧帽弁閉鎖不全症のような弁膜症も増えています。

    ア.犬糸状虫症(犬フィラリア症)
      原因:犬糸状虫が犬の心臓に寄生して起す病気で、カの吸血によって媒介されます。
      症状:初期にはほとんど症状を現わしません。しかし感染してから数ヵ月すると子虫は成長して心臓に入り、そこに定着して心臓や肺、肝臓、腎臓などを侵します。したがって運動するとすぐつかれたり咳をしたり、また重症になれば腹水がたまったり、ときには肺や膀胱から出血するようになります。
      予防:感染後重い症状が現われないうちに早期に治療することが良く、内服薬をカの発生する期間中、毎月与えて予防する方法もあります。毎年定期的に獣医師の検査と指示をうけてください。

    イ.僧帽弁閉鎖不全症
      原因:心臓の左心房と左心室の間にある弁(僧帽弁)が、うまく閉鎖しないために起る病気ですが、その原因についてはまだわかっていません。
      症状:老犬に多くみられる病気です。とくに小型の純枠犬に多発する傾向にありますが、初期の頃にはほとんど症状を現わしません。犬フィラりア症と同じように、年齢とともに症状が現われ、治療をしないと次第にせきが強くなり、腹水もたまってきて少しの運動でも倒れてしまいます。
      予防:原因がわかっていないので、ワグチンや、薬で予防することはできません。出来る限り早く発見して、病気がこれ以上進行しないようにくい止めることが必要です。このためには、5〜6才以上になったら、時々獣医師に心臓病の検査をしてもらい、適切な指示を受けることが必要です。

  3. 糖尿病
      原因:肥満やストレスなどが原因となって、インシュりンというホルモンが膵臓からうまく出なくなったために起る病気です。
      症状:年をとった肥満犬にみられます。異常に餌や水をほしがるにもかかわらず、次第にやせてきます。また尿の回数が多くなり、そのまま放っておくと失神を起すようになり、遂には意識不明となります。
      予防:年をとった犬には高カロリーの餌を多量に与えないように注意したり、運動させてストレスがたまらないようにすることが必要です。
  4. 寄生虫病
      原因:犬の消化器の寄生虫には回虫、鈎虫、条虫、鞭虫、コクシジウムなどがあります。
      症状:寄生の初期や寄生虫の少ない場合には、無症状の場合もありますが、一般に消化障害や貧血などを起こし、栄養や発育を妨げるばかりでなく、ジステンパーなどの伝染病に対する抵抗力を著しく弱めます。また、幼犬ではとくに症状が激しく、ときには死亡することもあります。
      予防と駆虫:多くの寄生虫卵は糞便中に排泄されます。放置すると再び犬の体内に取り込まれて感染します。したがって犬の排泄物の処理を速やかに行い、飲み水や下水などの環境を整備し清潔にすれば寄生虫の感染を滅らすことができます。駆虫剤は虫の種類によって異なりますし、また駆虫剤による中毒も少なくありませんので十分注意して駆虫する必要があります。

  5. 皮膚病
      原因:犬の身体を不潔にしておいたために起る湿疹や薬物によるかぶれ、あるいはノミ、真菌、抗癬虫、アカルスなど、皮膚病はいろいろな原因で起ります。
      症状:湿疹を生じたり、脱毛したり、ときには皮膚の色がかわったり、出血したり、さまざまの症状を示します。
      予防と治療:一般に皮膚病は症状が軽いうちに処置すれば恐れることはありませんが、ひろがった場合には大変治りにくく、長期間、根気良く治療を続けなければなりません。また平素、適宜に入浴させて清潔にし、ノミなどが発生するような悪い環境をつくらないこと、さらに栄養に注意し、とくに太りすぎにならないようにこころがけてください。

  6. 耳の病気
      原因:原因はいろいろですが、耳の中にダニが寄生したり、耳あかがたまることによって起る外耳炎が多くみられます。
      症状:耳の中がかゆかったり、痛かったりするために、悪い方の耳を下に向けるように首を曲げたり、頭を左右に振り、後ろ足で耳をかいたりします。また、耳に触れるのをいやがったり、ひどくなると、そばに寄ると悪臭がします。
      予防:全身をいつも清潔にしておくことが大切です。身体を洗った後などは、耳の中をできるだけ乾燥させるようにします。もし、外耳炎になった場合は、できるだけ早期に病院に行き、根気よく治すことが必要です。

  7. 目の病気
      原因:極めて多くの原因によって目の病気が起りますが、一般には細菌やウイルスによる結膜炎や外傷による角膜炎などが多くみられます。
      症状:目の周囲がいつも涙でぬれていたり、目が赤く腫れて、目の表面の一部分が白く濁っています。犬は目が痛いので、炎症のある方の目を細めたり、あるいは足でこすったりします。
      予防:目の病気を持っている犬と一緒にしないように気をつけることが第1です。子犬では、遊んでいるうちに誤って角膜に傷をつけることがありますので、注意しておくことが必要です。目の病気に気付いたら、出来るだけ早期に、獣医師の指示を受けることが必要です。

  8. 歯の病気
      原因:心臓病と同じように犬の寿命が延長したため、あるいは良質の餌を与えすぎたり、または体質などによりいろいろな歯の病気がみられますが、最も多い病気は歯石による歯肉炎です。
      症状:歯肉炎を起すと、食欲はあっても餌が食べられなくなったり、長い時間をかけて餌を食べたりします。唾液をながし、痛みのために、口を開けること、あるいは口に触れることを嫌がり、強い口臭があります。
      予防:年を取ってきたら、定期的に近くの獣医師に歯の検査をしてもらうことが必要です。歯石によって歯肉炎がひどくなると、他の病気をひき起すことがあるといわれているので、歯石をとってもらうことが必要です。
主な腸内寄生虫(犬)
左から鞭虫、鈎虫、回虫(上)、条虫(下)。条虫は虫卵が、便に混じらず、瓜の実状の方節が切れて排泄されることが多い。

卵(拡大したもの。肉眼ではわからない)
鞭虫卵 鈎虫卵 回虫卵 コクシジウム
オーシスト


犬糸状虫(フィラリア)

流血中のミクロフィラリア(子虫・顕微鏡強拡大)
血液検査で子虫を発見したら雌雄1対以上の成虫が寄生している、早期治療が大切