健康で丈夫に育てるために
  病気の予防と健康診断

深い愛情と理解のもとで、正しく育てられた犬やねこは、しつけも良く、健康で長生きです。病気になってあわてるより、まず予防につとめることが一番です。

正しい食餌――(「給餌及び給水」参照)

日常の手入れと運動――(「健康管理」「運 動」参照)
健康の増進、病気の予防や早期発見にも役立ちます。一般状態の観察もよくゆき届くからです。

生活環境の思いやり――(「犬や猫を飼う前に考えてみたいこと」「人にも犬にも迷惑なことのないように」参照)
それぞれの犬やねこに適した環境づくりに努めましょう。すなわち、居場所の清潔、風通しや日光浴、必要に応じた風雨よけや保温の設備などについて配慮することです。

犬やねこの病気の予防

  1. 予防注射
    ア.狂犬病予防注射(「飼い主として心得ておきたいこと」「必要以上にこわがることはありませんが」参照)
    生後3カ月以上の犬は、予防注射を必ず受けさせなければなりません。
    イ.犬のジステンパー、伝染性肝炎、パルボウィルス感染症、レプトスピラ病などの予防注射(「病気についてのミニ知識」「必要以上にこわがることはありませんが」参照)
    いずれもこわい伝染病ですが、有効なワクチンができています。それぞれ単独のもの、2種あるいは数種類混合のワクチンもあります。獣医師と相談のうえ、生後2〜3カ月位に接種し、以後は必要に応じて半年〜1年にl回位追加免疫すれば、まずかからなくてすみます。
    ウ.ねこの予防注射一(「病気についてのミニ知識」参照)
    ねこのいくつかのウィルス病(いわゆるネコジステンパー等)についても有効なワクチンがあります。
  2. フィラリアの予防(「病気についてのミニ知識」参照)
    カの媒介で感染するフィラリアは、犬の難病の一つといえます。感染のおそれがある時期に予防薬を内服させれば心配はありません。
  3. くる病の予防一(「病気についてのミニ知識」参照)
    犬やねこの発育は人に比べて大変に速く、その育ち盛りの生後2〜6カ月位の間はとくに骨の成分となるカルシウムとビタミンDが不足すると、くる病になって脚が曲がったり、体高不足の寸づまりや、骨格のひ弱な、いじけた体になってしまいます。小魚類、獣骨など十分与え、偏食させないように心掛けましょう。ビタミンDは紫外線に当てることで体内に合成されるので、室内飼育の場合など日光浴をなるべくさせるよう気をつけてください。不足気味のときは、薬剤として、カルシウムとビタミンを補給することで、くる病を防ぐことができます。
  4. 皮膚病の予防(「病気についてのミニ知識」「必要以上にこわがることはありませんが」参照)
    皮膚と被毛の手入れをして常に清潔にし、また、ノミなどの寄生虫を発見したら、早く駆除してやることです。このことが皮膚病の予防につながります。伝染性の皮膚病(カイセン、アカルス、真菌症など)もありますから、皮膚病にかかっている犬やねことはなるべく接触させないようにしましょう。
  5. 健康相談と定期検診のすすめ
    "ころばぬ先のつえ"といいます。変わらぬ健康を保ち、長生きさせるためには、専門の獣医師に相談したり、定期的に検診してもらうことをおすすめします。
    ア.検便と虫くだし(「病気についてのミニ知識」参照)
    寄生虫にも、回虫、釣虫(十二指腸虫)、鞭虫、条虫、コクシジウムなどの種類があり、虫によって使う薬も違ってきます。検便によって虫卵の有無と種類を確かめ、一番良く効く薬を、その犬やねこの大きさや個体差を考えたうえで適量を使用するのが、正しい虫下しの方法です。
    元気や食欲がないから、虫がいるのだろう、と素人判断で売薬を与えたりすると、病状をさらに悪くすることがあります。虫以外の原因によることも多いし、虫のときでも薬の量が多すぎたり、少なかったり、寄生している虫に対して無効の薬だったりするからです。
    指の頭位の量の便を、獣医師の所に持参すれば、よく調べてくれます。少くとも2〜4カ月に1回は検便してもらいましょう。
    イ.血液検査と犬のフィラリア(「病気についてのミニ知識」参照)
    恐ろしいフィラリアの寄生の有無は、血液を少量採って顕微鏡で検査するとわかります。毎年4〜5月頃に調べ、もし子虫(ミクロフィラリア)を発見したら、その時期に早期治療を行えば、注射による副作用もほとんどなく、親虫を退治して発症を防止することができるでしょう。
病気のみつけ方とみわけ方

口のきけない動物のことです。どうも様子がおかしいと感じたとき、"どこにどのような異常があるか"をよく観察し、病気であるかどうかや獣医師に診てもらうかどうかの最初の判断をするのは、飼い主であるあなたです。
  1. 健康のバロメーター
    常日頃、元気と食欲と便の状態によく注意を払っていることが、病気を早くみつける秘けつともいえましょう。ほとんどの病気がこのうちのどれか、あるいは全部に影響をもたらすかです。さらに体温を肛門内で計ってみることをおすすめします。高すぎ、低すぎいずれも注意信号ですので、あなたの愛犬・愛猫の健康なときの体温(平熱)を知っておくことが大切です。
  2. 症状によって
    1)I〜2日様子をよく観察し、症状の変化に気をつけるもの。
    2)獣医師に相談し、その指示に従った方がよいもの。
    3)早めに診察、検査を受ける必要のあるもの。
    4)一刻も早く治療しないといのちにかかわるもの。
    これらの判断が大切ですが、その目安として主な症状をにまとめてあります。各項はそれぞれ独立したものではなく、相互に関連があり、また変動します。症状が多くの項目にまたがり、記載の右側に進むほど注意が必要です。表の一項目だけにとらわれず、全体的に理解し、判断の材料にしてください。

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