一般原則
  飼い主として心得ておきたいこと

飼い主の中には、動物を飼うのは自由であり自分の好きなように飼えばよいと考えている人もいます。ところが動物を飼うには社会のルールにそって飼う必要があります。法令上の取りきめばかりでなく人間社会の常識として守らなければならないことも多くあります。飼い主として、知らない間に過ちをおかしていた、などということのないよう正しい飼い方について理解を深めていただきたいと思います。

  1. 犬の登録と狂犬病予防注射
  2. 迷惑と危害の防止
  3. 愛犬、愛猫が病気になったとき
  4. どうしてもあなたが犬やねこを飼っていけなくなったとき
  5. 去勢、不妊手術のすすめ
  6. 死亡したときの処置
  7. 飼い犬が行方不明になったとき
犬の登録と狂犬病予防注射

犬を飼う場合には絶対に知っていて、守らなければならないものに「狂犬病予防法」というものがあります。これは人獣共通感染症(人も動物も同じく感染する病気)の中で最も恐ろしく悲惨なものといわれている狂犬病から人や犬を守り、社会の安全を保つためのものです。
  日本では第二次大戦後に大流行し、人々を恐怖のどん底に落とし入れましたが、狂犬病予防法が制定施行されて、多くの人々が努力した結果、昭和32年以後わが国での発生はありません。しかし中国や東南アジア諸国を初め多くの国々では今なお多くの発生があります。
  外国との交流が盛んになり、いろいろな動物が輸入されている昨今、油断は出来ません。犬を飼う場合には飼い犬を狂犬病から守ると同時に、社会に対する責務として狂犬病予防法に基づく、飼い犬の登録と飼い犬に対する狂犬病予防注射の接種が義務づけられていることを忘れてはいけません。 
  1. 飼い犬の登録
      生後3ヵ月以上の犬を飼う場合には必ず登録をしなければなりません。
     手続きは市区町村役場などで行います。登録をすると年度と市町村名などの入った犬鑑札と玄関など来訪者の見やすいところに貼っておく(犬)のステッカーが渡されます。
  2. 狂犬病の予防注射
      生後3ヵ月以上の犬は法律の定めにしたがって、毎年狂犬病の予防注射を受けなければなりません。
      予防注射は原則として開業獣医師のところで行い、獣医師の発行する注射済証明書を、もよりの保健所に提示して注射済票(メタル)の交付を受けることになっています。
     なお、飼い主の利便を考え、登録と予防注射および注射済票(メタル)の交付を一ヵ所で行うため、市区町村役場、獣医師会、保健所が共同で適宜会場を設け、日時を定めて定期の登録、注射を実施しております。 犬鑑札と注射済票(メタル)は一緒に犬の首輪に付けておくことになっています。
      鑑札と注射済票は犬の戸籍番号・病気の安全番号であると同時に迷子札の役目もします。もし何らかの事情で逸走したり迷ったり、または、事故に遭ったりしても、鑑札や注射済票がついている限り、その番号から飼い主が判明し、全国どこからでも連絡を受けることが出来ます。
    鑑札と注射済票は愛犬のためにも是非犬につけておいてください。
迷惑と危害の防止

  動物を飼う場合には、その動物によって他人や社会に対して迷惑や危害をおよぼすことのないよう、心くばりと動物をしつけることが大切です。犬やねこに関する苦情の多くはほえてうるさい、臭い、汚い、咬みつく、庭を荒らす、食物などを盗むなどです。これらは飼い主の努力と責任ある飼い方で防止出来るものばかりです。
  隣近所の人々が全て犬やねこが好きとは限りません。そうした人々も含め近隣の多くの人々から理解され、可愛がられる犬やねこであるよう、飼い主は責任を持って飼わなければなりません。
とくに最近はねこによるトラブルが多くなっているようです。それは犬はつなぐよう義務づけられているのに対し、ねこは自由に放し飼いされていることや、登録や予防注射の義務もないため、自分の所で飼うことの出来ない人などが飼い主不明のねこに餌付けをしたりすることからねこの集まる地域の人々や、ねこによって被害を受ける人から反発を受けるケースが多くなっているようです。たとえどんなにねこが好きでも、自分で責任を負うことの出来ないような形での飼い方は、結果的にねこ嫌いな人をつくり、ねこに危害を与えさせる原因をつくることになるのです。 

愛犬、愛猫が病気になったとき

  病気はなんといっても早期発見の早期治療が第一ですし、予防に勝るものはありません。ふだんから獣医師に健康管理などについて相談し、指示を受けることはよいことです。もし急病などで、獣医師の所在がわからないときは、各都道府県市の獣医師会や最寄りの保健所などに聞けば教えてくれます。

どうしてもあなたが犬やねこを飼っていけなくなったとき

  動物は責任を持って終生飼育すべきものですが、何らかの都合でどうしても飼い続けることが出来なくなった場合には次の方法を考えて下さい。

  1. 新しい飼い主を探す
      飼い主の責任で、可愛がって引き続き責任ある飼い方をしてくれる新しい飼い主を探し、譲るようにすることです。その場合には、譲り渡す犬やねこが一日も早く新しい飼い主に慣れるよう、性質やえさの好みなど参考になることを伝えてやることも必要です。
  2. 保健所に引き渡す
     どうしても新しい飼い主が見つからないときは、都道府県などに相談してください。都道府県などでは「動物の愛護及び管理に関する法律」に基づき、それらの犬、ねこを引き取ってくれます。ただし、行政にゆだねられた犬やねこは一部が行政の手によって新しい飼い主に引き取られますが、大部分は安楽死処分を受けることになります。
      したがって、出来るだけ自分の力で新しい飼い主を探す努力をしてください。
  3. 安楽死は飼い主の腕の中で
      新しい飼い主が見つからない場合ばかりでなく、飼い犬や飼いねこが老衰や不治の病気で、そのまま生かし続けることが動物にとって苦痛を与えるだけの場合には、安楽死させてやることも深い愛情であるといえます。そして、その場合には、開業獣医師に依頼し、飼い主の腕の中で安らかにねむらせてあげるのが、本当の飼い主の姿ではないでしょうか。
     自分で処置するのが嫌だとばかりに、遠方に行き放したり、捨てたりすることは絶対にやめてください。飼育動物を遺棄することは「動物の愛護及び管理に関する法律」で飼い主が罰せられる(30万円以下の罰金または科料)ばかりか、捨てられた犬やねこは哀れにものたれ死にするか、のら犬、のらねことなって、人から危害を与えられたり咬傷事故や環境汚染などの原因として、社会問題に発展することさえあります。

去勢、不妊手術のすすめ

-犬やねこの発情期に困る方、産ませたくないと思う方のために-
  普通雌犬は年2回、雌ねこは年に2〜4回位発情期があります。発情期にはお互に群がって、けんかをしたり、夜なきして悩まされることがあります。
  欲しくない子犬、子ねこがつぎつぎと産まれて困ると考える方は、ぜひ雄は去勢手術(睾丸の摘出)、雌は不妊手術(卵巣および子宮摘出)を行うことをおすすめします。これらは比較的簡単な手術で苦痛や危険性も少なく以後の発情も消失しますので、大変飼いやすくなります。しかしいくら簡単で苦痛や危険が少ないとはいっても、犬やねこにとっては大変な手術ですから、安易な手術や術後の乱暴な措置は慎まなければなりません。

死亡したときの処置

  1. 市区町村への届出
      登録してある飼い犬が死亡した場合には、居住地の市区町村役場に、鑑札を添えて死亡したむねの届出をしてください。届出用紙は窓口に用意してあります。
  2. 死体の処置
      死体は狂犬病などの疑いがない場合に限り、庭のあるお宅などでは庭に埋葬してもさしつかえありません。
      しかし、一般的には、その地域の清掃事務所が民間の動物霊園などに依頼することが多いようです。民間の動物霊園などについては、開業獣医師か愛犬家・愛猫家などに尋ねるか、もよりの保健所などに相談されるとよいでしょう。ごみと一緒に捨てたり、川に流すなどということは絶対にやめてください。
飼い犬が行方不明になったとき

もし飼い犬が放れてしまって行方不明になったような場合には捕獲されたり、事故にあって保護されたりすることがあります。行政によって収容された場合、飼い主が判明しているものは飼い主に引き取るべきむねの通知があります。飼い主の判明していないものはおおむね2日間の公示(市区町村の公示板)を行い公示期間満了後1日以内に飼い主が引き取らない場合には、処分されることになります。
  したがって飼い犬が行方不明になったときは、早急に都道府県などの収容施設に連絡を、場合によっては出向いてみることも必要です。時にはよその愛犬家や動物病院などに保護されていることもありますが、いずれの場合でも鑑札と注射済票(メタル)が付いてさえいれば、連絡を受けることが出来ます。
ねこの場合は鑑札も注射済票もありませんが、首輪などに飼い主の住所、氏名、電話番号などを記入してねこに付けておけば、発見も早くなるでしょう。