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原 著

集団座礁したスジイルカに認められた甲状腺腫様変化

真柄真実1)†   田島木綿子2)   山田 格2)   磯部友彦3)   高橋 真3)
田辺信介3)   島田章則1)

1)鳥取大学農学部(〒680-8553 鳥取市湖山町南4-101)
2)国立科学博物館動物研究部(〒169-0073 新宿区百人町3-23-1)
3)愛媛大学沿岸環境科学研究センター(〒790-8577 松山市文京町2-5)

2008年7月4日受付・2008年10月22日受理

要   約

 2003年3月,愛媛県興居島にて7頭のスジイルカ(Stenella coeruleoalba)が集団座礁し,そのうち6頭について全身解剖および病理組織学的検索を行った.体長などからいずれも成体であることが推測された.各個体の直接的な死因は,肺における重度のうっ血水腫と思われるが,これらの症例に共通する漂着の原因を示す所見は確定できなかった.2例の甲状腺に,コロイドの大量貯留による濾胞拡張および結節形成を伴う,いわゆる甲状腺腫に類似した所見が認められた.脂皮内の有機ハロゲン化合物の分析の結果は,日本国内でこれまで報告されている海棲哺乳類における蓄積パターンとおおむね一致していた.一部の有機ハロゲン化合物の高濃度の蓄積が認められた.
―キーワード:スジイルカ,甲状腺,甲状腺腫,有機ハロゲン化合物.

------------------------------日獣会誌 62,155〜160(2009)




† 連絡責任者: 真柄真実(鳥取大学農学部獣医学科獣医病理学教室)
〒680-8553 鳥取市湖山町南4-101
TEL・FAX 0857-31-5424
E-mail : makaran@yd5.so-net.ne.jp