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行事等報告

社団法人日本獣医師会創立60周年記念行事の開催

 平成20年12月4日,明治記念館において,本会創立60周年記念行事が開催された.
 まず,創立60周年記念式典が,「蓬莱」にて,石破 茂農林水産大臣,斉藤鉄夫環境大臣,森 英介法務大臣,獣医師問題議員連盟会長の谷津義雄衆議院議員をはじめとする,多数の国会議員等の他,農林水産省,厚生労働省,環境省,文部科学省幹部及び関係団体,企業から約400名出席者の臨席を得て,盛大に開催された.
 また,式典に続き,同会場にて,創立60周年記念して,麻布大学政岡俊夫学長から,「高等教育のグローバル化と我が国の獣医学教育及び獣医師の将来像」についての講演が行われた.
 さらに,会場を「富士」に移して,創立60周年記念祝賀会が開催され,集った方々が60周年を祝い,和やかに歓談された.
 なお,日本獣医師会創立60周年記念行事の開催概要は次のとおり.


創立60周年記念式典会場風景(明治記念館 蓬莱の間)


I 社団法人日本獣医師会創立60周年記念式典
1 日 時:平成20年12月4日(木)10:30〜12:00
2 場 所:明治記念館 2階「蓬莱」
3 次 第:
 (1)開会の辞
 (2)日本獣医師会会長挨拶
 (3)来賓ご祝辞
 (4)来賓ご紹介・祝電披露
 (5)事業報告
 (6)功労者表彰
 (7)受賞者代表謝辞
 (8)閉会の辞
4 記念式典:
 (1)開会の辞
 〈社団法人日本獣医師会 藏内勇夫副会長〉

 藏内副会長から,社団法人日本獣医師会創立60周年記念式典を開会する旨が宣せられ,開会された.
 (2)日本獣医師会会長挨拶
 山根会長から大要次のとおり式辞が読み上げられた.
 〈社団法人日本獣医師会 山根義久会長〉

  本日ここに,社団法人日本獣医師会創立60周年記念式典を挙行するにあたり,一言ご挨拶を申し上げます.
 式典の開催にあたり公私とも用務ご多忙の中,敬愛いたします,石破 茂農林水産大臣をはじめ,斉藤鉄夫環境大臣,谷津義男獣医師問題議員連盟会長,さらに法務大臣でもある森 英介獣医師問題議員連盟事務局長,その他多数の関係者を来賓としてご臨席賜りましたことを大変光栄に存じている次第です.
 また,農林水産省,厚生労働省並びに環境省ご当局には格別のご配慮をいただき,永年にわたり獣医学術の振興・普及をはじめ,獣医事の向上に貢献した獣医師に対し,それぞれ感謝状を賜りますことは,この記念式典に花を添えることとなり,受賞者はもとより私ども獣医師会関係者一同,衷心より深く感謝する次第です.
 顧みれば,社団法人日本獣医師会が昭和23年11月9日に設立され,このたび晴れて創立60周年を迎えられますことは,ひとえに関係省庁,国会の先生方をはじめ,獣医界各層関係者の皆々様のご指導とお力添え,そして何よりも会員各位のご支援とご協力あってのことと,ここに深甚なる謝意を申し上げます.
 さて,平成10年11月25日にこの明治記念館において創立50周年記念式典を開催してから早や10年が経過しました.思い起こすと,この10年の間には国民生活の安全・安心を脅かす様々な出来事がありましたが,中でも新興感染症や再興感染症など多くの感染症に悩まされるとともに,食の安全に対する国民の信頼が根底から揺るがされた10年ではなかったでしょうか.
 国内では,実に92年ぶりに宮崎県と北海道で発生した口蹄疫をはじめとして,国際社会経済のグローバル化の中で突如として発生したSARSや,現在もアジア地域を中心に猛威を振るう高病原性鳥インフルエンザ.また,海外での感染とは言え,わが国での狂犬病の発症・死亡事例等々,これまで我々現代人が慢心していた感染症対策に改めて警鐘を打ち鳴らしました.
 そして,特にBSEにつきましては,食の安全・安心に対する国民の意識を大きく変化させ,さらにその後の度重なる食品偽装問題等もあり,わが国における「食の安全確保対策のあり方」を抜本的に見つめ直すきっかけともなりました.
 一方,人と動物の共生社会の構築が国民的課題とされ,犬や猫などの家庭動物が伴侶動物として広く一般家庭,さらには人の介護・福祉分野,学校教育分野への社会参加が進展する中で,小動物に対する動物医療提供体制の整備が社会的要請となってきています.
 これらの感染症対策や食の安全対策,産業動物や小動物の臨床,さらに自然環境保全対策や動物福祉対策には,多くの獣医師が第一線で深く関わっています.この10年において,獣医師が背負う職責は一段と重みを増し,獣医師及び動物医療の提供に対する社会的期待は高まりをみせているものと,身に沁みて感じる次第です.
 現在,私ども獣医師及び獣医師会には,積年の課題としての獣医学教育の質の確保に向けての体制整備をはじめ,獣医師の需給対策や処遇の問題,動物看護職のパラメディカル専門職としての資格制度化への対応や,獣医師職業倫理の確保等,解決すべき課題が山積しています.
 それらは,獣医師及び動物医療の提供体制の質の確保に向けての社会的要請に応える上で,決して避けては通れない重要な問題です.そして,これらの課題解決のためには,関係省庁,国会の先生方のご理解とご指導をいただきながら,関連団体や業界・企業の方々とも力を合わせ,獣医師の総員が獣医師会の下で一致団結して対応努力する必要があります.しかし,何よりも大切なのは国民の理解と協力を得ることです.
 獣医師の活動が国民に理解をいただき,そして社会評価を得るため,獣医師の存在と熱い思いを国民や行政にアピールし,いかに継続して行くかが重要です.
 全国55の社団法人都道府県・政令市獣医師会の獣医師専門職により組織される日本獣医師会.そして,会員獣医師の総員が「専門職業人としての獣医師の職責に誇りを持ち,獣医学術の振興,獣医事の向上等をはじめとする各般の公益活動を通じ社会に貢献していく」,その姿勢を持ち続けていかなければならないと強く感じます.
 日本獣医師会では,昨年から国際的な「世界獣医師の日」の催しにも呼応して,「動物感謝デー in JAPAN」を開催することにより,広く国民に獣医師の存在とその活動や重要性をアピールすることとしたところです.
 『獣医師に対する国民の理解を得なければ,何も変わらない.』このことを胸に強く抱きながら,我々獣医師一人一人が新たな気持ちで次の時代を迎えることを決意したいと思います.
 最後に,全国の約3万の会員獣医師は,今後も日々研鑚・努力を重ね,動物の保健衛生の向上,畜産業をはじめ動物関連産業の発展,公衆衛生の向上及び動物福祉の増進に積極的に取り組んで行く所存です.
 本日,ご臨席の関係各位のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げ,日本獣医師会を代表して創立60周年記念式典の式辞といたします.



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