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行政・獣医事

動物用医薬品副作用症例報告
(平成17年11月分)

薬事法第77条4の2に基づく動物用医薬品副作用症例報告を次のとおり掲載する.


医 薬 品 の 名 称
(製造(輸入)業者名)

副 作 用 発 現 動 物

副 作 用 等 発 現 の 概 要 及 び 転 帰
フォーベット50注射液

ナガセ医薬品(株)

製造番号:4260

種 類


年齢等

投与前の健康状態

疾患等

関連医薬品の投与歴等

投与量

投与法

投与
年月日
併用薬 副作用発現年月日
(投与後時間)

副作用等の
種類

講じた
処置

転帰
肉用牛
黒毛
和種
4月齢 肺炎,
呼吸速迫,
流涎,
体温41℃,
食欲・元気なし,
解熱・消炎を目的
- 1.5mg/kg
静脈内注射
点滴静注(用法・用量以外)
平成17年
11月4日
等張
リンゲル
平成17年
11月4日
斃死,痙攣,アナフィラキシー反応
発熱(41℃),呼吸速迫,流涎が見られ,抗生物質治療を行う前に,解熱・消炎を目的に500ml等張リンゲルに添加し,点滴静注した.薬液が半量となったころ,急に足をバタつかせ,さらに数分後痙攣し,そのまま死亡.
無処置 死亡

《企業の意見及び対応》

  • 担当獣医師 : 呼吸速迫,流涎がみられたので,リンゲル液の投与にあわせて解熱・消炎を目的に当該医薬品を混じ点滴静注した結果,アナフィラキシーショックのためか牛の体調が急変し,ステロイドの投与もできずに死亡した.特に死亡牛の検査は行わず,斃獣処理した.従前より使用しているが事故はなく,当該医薬品も一因と考えられるが,牛自体にも何らかの原因があったものと思われる.
  • 企    業 : 診断した獣医師は,牛自体の原因,たとえば「過敏症」を疑っていた.実際,治療開始時の牛は,呼吸速迫,流涎を呈しており,過敏性が高まっていたものと推察される.本件では,フォーベットをリンゲル液に混ぜて投与しており,リンゲル液による反応とは考えにくく,牛の体質とフォーベットの相性が悪く,このような結果になったものと考えられる.
     残念ながら検死を行っておらず,死亡原因の特定はできていないが,本剤の使用上の注意,対象動物に対する注意,副作用の項に,「静脈注射後,まれにアナフィラキシー様反応をきたした事例が報告されている」と記載されていることから,当該医薬品との関連性が疑われる.
  • 対    応 : 年間販売数量からみて,副作用の発生頻度の表現は「まれに」が妥当と考える.本件の場合,リンゲル液に混ぜて投与しており,沈殿,結晶が生じたとの報告はないが,できるだけ他剤との混合を避けることを喚起しながら,今後も発生の有無を調査する.

家畜衛生週報(No. 2916)より