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原 著

離乳豚の接合菌による側頭骨骨髄炎

小川秀治1)†   芝原友幸2)   木村 衆1)   小沼成尚1)
石川義春3)   門田耕一3)   久保正法2)

1)秋田県中央家畜保健衛生所(〒011-0904 秋田市寺内蛭根1-15-5)
2)(独)農業・食品産業技術総合研究機構動物衛生研究所(〒305-0856 つくば市観音台3-1-5)
3)(独)農業・食品産業技術総合研究機構動物衛生研究所北海道支所(〒062-0045 札幌市豊平区羊ヶ丘4)

2008年1月29日受付・2008年6月9日受理

要   約

 秋田県内の肥育農場において,40日齢の去勢子豚が左側側頭部の隆起と発育不良を呈したため安楽殺された.剖検時,左側側頭骨に限局性の腫瘤があり,割面では白色結合組織の増生を伴う多発性の黄白色壊死巣が認められた.病理組織学的には,真菌菌糸を伴う多発性肉芽腫性骨髄炎であった.免疫組織化学的に,この菌糸は抗Rhizopus arrhizusモノクローナル抗体で陽性を示した.以上の結果より,接合菌による肉芽腫性骨髄炎と診断された.
―キーワード:骨髄炎,豚,接合菌症.

------------------------------日獣会誌 62,44〜48(2009)




† 連絡責任者: 小川秀治(秋田県中央家畜保健衛生所)
〒011-0904 秋田市寺内蛭根1-15-5
TEL 018-864-0401 FAX 018-862-7132
E-mail : Ogawa-Shuji@pref.akita.lg.jp