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原 著

鹿児島県における豚腸管由来多剤耐性Salmonella
Typhimuriumの分離状況と分離株の特徴

藤元英樹1)†   猪俣生輝1)   郡司康宏1)   神田裕一1)
田中輝美1)   有水五郎1)   中馬猛久2)

1)鹿児島県鹿屋食肉衛生検査所(〒893-0032 鹿屋市川西町3874-12)
2)鹿児島大学農学部(〒890-0065 鹿児島市郡元1-21-24)

2007年7月30日受付・2008年4月7日受理

要   約

 鹿児島県内のと畜場に搬入された健康豚580頭(58農場由来)のサルモネラ属菌およびSalmonella Typhimurium(ST)の保菌状況を調査した.27農場(46.6%),91頭(15.6%)からサルモネラが分離され,そのうち19農場(32.8%),51頭(8.8%)からSTが検出された.51頭の豚に由来するST51株の薬剤感受性を調査したところ,アンピシリン(A),クロラムフェニコール(C),ストレプトマイシン(S),スルファメトキサゾール(Su),テトラサイクリン(T)耐性が6株,ASSuT耐性が6株検出された.このうち5株はクラスIインテグロンの存在が示唆され,増幅パターンは3種類に分けられた.約1.0および1.2kbpの増幅産物保有4株は,フロルフェニコール耐性遺伝子(floR)およびファージ型DT104を標的とするPCRでも増幅が確認されたことからST DT104と推察された.いっぽう,DT104と異なる特徴を示す多剤耐性菌やフルオロキノロン系薬剤に耐性を示す菌株が検出されるなど,新たな耐性の広がりも示唆された.
―キーワード:Class I Integron,多剤耐性,豚腸管由来,S. Typhimurium.

------------------------------日獣会誌 61,805〜809(2008)




† 連絡責任者: 藤元英樹(鹿児島県鹿屋食肉衛生検査所)
〒893-0032 鹿屋市川西町3874-12
TEL 0994-44-5395 FAX 0994-44-5609
E-mail : fujimoto-hideki@pref.kagoshima.lg.jp