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原 著

新WHO分類による犬・猫の悪性リンパ腫の組織学的診断

坂井祐介    上塚浩司    中山裕之

東京大学大学院農学生命科学研究科(〒113-8657 文京区弥生1-1-1)

(2007年5月21日受付・2007年12月17日受理)

要   約

 悪性リンパ腫と診断された犬57例,猫26例の腫瘍組織について形態学的評価,およびT細胞・B細胞マーカーを用いた免疫組織化学とフローサイトメトリー法による腫瘍細胞の免疫学的性状の評価を行った.これらの結果について動物の悪性リンパ腫のWHO分類第2版(2002年)に従って分類した.また腫瘍の発生臓器についても検索した.犬,猫ともに,B細胞リンパ腫が全体の2/3程度と多く,特にlarge B-cell lymphomaが全体の1/3を占めた.T/NK細胞リンパ腫では犬,猫ともにLarge granular lymphoproliferative disorderが多かった.発生臓器の比較では犬ではリンパ節由来多中心型が過半数を占めたが,猫ではさまざまな臓器に発生がみられた.
―キーワード:猫,WHO分類,犬,病理組織学,悪性リンパ腫.

------------------------------日獣会誌 61,543〜548(2008)

 

† 連絡責任者: 中山裕之(東京大学大学院農学生命科学研究科獣医病理学教室)
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