会議報告

平成20度第1回理事会の議事概要

I　日　時： 平成20年5月30日（金）13：30〜16：30 II　場　所： 日本獣医師会　会議室 III　出席者： 会　　　長： 山根義久 副 会 長： 藏内勇夫，中川秀樹 専務理事： 大森伸男 地区理事： 波岸裕光（北海道） 坂本禮三（東　北） ��橋三男（関　東） 手塚泰文（東　京） 谷　達雄（近　畿） 唐木茂樹（中　国） 岡本和夫（四　国） 麻生　哲（九　州） 職域理事： 酒井健夫（学術・教育・研究） 細井戸大成（開業（小動物）） 戸谷孝冶（畜産･家畜衛生） 森田邦雄（公衆衛生） 横尾　彰（家畜共済） 監　　　事： 玉井公宏，桑島　功 欠　　　席： 近藤信雄（開業（産業動物）

IV　議　事： 【報告事項】 1　業務概況等（職域別部会委員会運営状況報告を含む．）の件 2　新公益法人制度対応検討の件 3　役員の補欠選任の件 4　日本獣医師会会長感謝状を授与した件 【議決事項】 第1号議案 第65回通常総会における日本獣医師会会長感謝状授与の件 第2号議案 第65回通常総会に付議する事項の件 第1号議案 平成19年度事務事業及び決算報告の件 第2号議案 平成20年度事業計画（案）及び収支予算（案）の件 第3号議案 平成20年度会費及び賛助会費の件 第4号議案 役員の補欠選任の件 第3号議案 賛助会員入会の件 【協議事項】 1　日本獣医師会創立60周年記念事業功労者表彰要領等の件 2　2008動物感謝デー in Japan開催計画の件 3　世界獣医学協会対応の件

V　会議概要： 【会長挨拶】 　冒頭，4月3日に逝去された布施康正理事に対し，黙祷が捧げられた後，山根会長から，大要次の挨拶があった． 　（1）昨日から本日の午前中まで，平成19年度決算監査会が実施されたことを報告する． 　（2）第1回の野口英世アフリカ賞については，地方獣医師会にも支援いただき，本会から寄付に協力したところであるが，医学研究部門に30年にわたりアフリカで研究に尽力された英国のブライアン・グリーンウッド博士が，医療活動部門に40年間アフリカで医療奉仕活動に従事されたケニアのミリアム・ウェレ博士がそれぞれ受賞した．一昨日は横浜において，天皇・皇后両陛下のご臨席のもと授与式及び晩餐会が開催され，第4回アフリカ会議に出席した40数カ国の元首も臨席し，涙を流し感激しており，昨日は東京において，受賞者の講演会が開催されたが，献身的な活動の報告を聞き，また副賞賞金をアフリカの医療活動に寄付したいと熱く語る受賞者に対し，心から敬意を表す次第である．このような事業を地方獣医師会ともども支援したことにより獣医師会としての社会的役割を果たしたものと感慨を深めた． 　（3）獣医師の職務を広く社会へ周知するため，昨年より本会事業として開催している動物感謝デーは，本年，駒沢公園を会場に規模を拡大して開催する予定であり，地方獣医師会，構成獣医師の協力を依頼したい． 　（4）本日は，第65回通常総会への上程議案である，平成19年度の事務事業及び収支決算報告，平成20年度の事業計画（案）及び収支予算（案）等の重要案件の審議をお願いしたい． 　（5）本日の協議内容については，各地区において伝達いただきたい． 【議長就任・議事録署名人の指名】 　続いて，山根会長が議長に就任し，谷，横尾両理事を議事録署名人に指名して会議が次のとおり行われた． 【報告事項】 　1　業務概況等の件（職域別部会委員会運営状況報告を含む．）の件 　前回理事会以降（平成20年3月21日以降平成20年5月20日まで）の業務概況について大森専務理事から報告が行われ，その中で部会委員会の開催状況については，まず，近藤理事の代理として横尾理事から，［1］産業動物・家畜共済委員会においては，第7回委員会を開催し，農林水産省担当官から，牛ヨーネ病及びブルセラ病検査と現状と対策として，定期検査で陽性反応があった本病の事例では，食品衛生法に基づく乳製品の回収が行われたが，農林水産省では乳製品のように殺菌過程を有する製品は海外でも回収の事例が無いため，厚生労働省へ対応の見直しを依頼していること．さらに茨城県で豚コレラの陽性が確認された旨説明された後，家畜共済診療点数表等の改正状況について，委員長から本会の要請の対応状況と変更内容が報告され，点数は全体の枠組みを固定した中で調整するというのではでなく，診療の質を確保するための適正な報酬の水準という観点で議論すべき等の意見が出された．今期テーマである「産業動物診療獣医師の養成・確保と家畜共済事業運営のあり方」については，地位向上のため専門医制の考慮，獣医師の食の安全に対する貢献度の周知による獣医師の確保，日当でなく，診療件数による単価積算による処遇改善，さらに家畜共済事業の安定的運営のための若い獣医師の確保対策の必要性等意見が交換され，次回委員会では，特に大学，行政，共済団体との開業獣医師のネットワーク整備について取りまとめることとした．続いて，［2］食の安全を担う産業動物臨床検討会においては，第2回委員会を開催し，まず中央酪農会議の担当者から生乳の安全・安心確保のため，同会議がポジティブリスト制の円滑な導入のため作成した，生乳生産管理マニュアル，チェックシート等について説明がなされ，生産者に対する獣医師の指導等が依頼された後，犬丸委員から食の安全を担う産業動物臨床の方向として，実際のHACCP普及活動の取組み状況について説明され，認証制度のあり方等について意見交換がなされた．今期テーマである「食の安全を担う産業動物臨床の取組みの現状と今後の課題」については，獣医師を中心とした食の安全のための地域のネットワーク構築のあり方等について意見が出され，次回は農場管理獣医師の定義の再確認の必要性等から，事前に各委員からの意見を取りまとめた上で，さらに課題について検討することとした．次に，細井戸理事から，［3］小動物委員会については，第7回委員会を開催し，まず中川副会長から，平成19年度学会年次大会における動物看護職の全国協会（仮称）設立準備会の発足，平成22年度から獣医師国家試験での獣医師倫理設問の出題増加，動物感謝デー開催による獣医師職務の周知，特区による獣医学部新設について説明がなされ，続いて委員長から，動物看護職の動物診療における位置づけと専門職としての職域環境の整備について，動物診療補助専門職検討委員会での検討経過等が報告された後，ペットフードの安全確保に関する検討の経過として，農林水産省担当官から，「愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律案」が閣議決定された旨説明された．次に診療の質の向上のための獣医療のIT化として，酪農学園大学の遠藤教授から，酪農学園大学における，診療における一連の流れを電子化し，効率化を図る取組み及び蓄積されたデータの共有化による獣医療全体における質の向上の推進，また日本大学の鯉江准教授から，日本大学における院内診療データ電子化計画の推進によるコスト軽減及び今後の一次及び二次診療のネットワーク化のあり方等が各々説明された．次回委員会では，今期検討テーマである小動物臨床の質の一層の向上に向けた提供体制のあり方（a．一次診療と二次診療（高度専門医療・紹介診療），夜間・休日診療の地域ネットワーク体制の整備，b．卒後臨床研修制度の発展的整備））について，取りまとめを行うこととした．さらに，戸谷理事から［4］家畜衛生委員会については，第6回委員会を開催し，まず農林産省担当官から，最近における家畜衛生を巡る事情「地域における家畜保健衛生業務推進の方向」として，家畜伝染病に対する国内防疫の取組み，HACCPを活用した飼養衛生管理の仕組み，養豚衛生の取組みについて説明がなされた後，今期検討テーマである「家畜防疫対策推進のための地域ネットワーク体制整備のあり方（特に獣医師会と産業動物診療獣医師の果たす役割）」について意見交換がなされ，地域における家畜防疫対策取組みの現状と課題については，全国では地域の事情により様々な防疫対応がなされているが，獣医師の人材不足が課題であることは共通の認識であり，そのためには情報交換，緊急時の役割分担等のためのネットワーク体制の構築が必要であると意見集約された．次回は，報告書の執筆担当委員に提出いただいた素案について検討することとした．最後に大森専務理事から，［5］総務・広報委員会においては，第4回委員会を開催し，検討テーマである「新たな公益法人制度への対応」として，公益法人認定に当たっての課題と対応等について意見交換を行い，本会議の資料及び議事録は，各地方獣医師会に各地方獣医師会に送付し，地元での議論等で活用を依頼している．次回は，6月に開催する旨が説明された． 　2　新公益法人制度対応検討の件 　大森専務理事から，新公益法人移行に向けての対応については，前回の理事会において協議し，本会，地方獣医師会ともに公益認定申請に向け所要の環境整備に努める旨の方針が了承され，その旨を地方獣医師会に山根会長からお願いしてきたところであるが，今般，公益法人改革に向けて，本会では認定の手続き等を分かりやすく解説するガイドライン的役割を果たす資料を逐次整備し，地方獣医師会と共有しながら，検討を進めていくこととしている．このたびその第1弾として「新公益法人制度検討の要点」を作成した．その内容は，獣医師会における新公益法人制度検討に当たっての留意事項，新公益法人制度のスケジュール，公益認定に関する運用について（公益認定ガイドライン），今後における狂犬病予防注射事業のあり方を一冊にまとめたものであり，特に留意事項にある，公益認定の要件等（18のチェックポイントがあり，中でも［1］公益目的事業比率50％以上（個々の事業を公益法人認定法別表各号に該当しているか，また個々の事業が特定多数の者のみの利益の増進につながっていないかという観点からチェックポイントに従い検討する．前者はクリアできるが，後者は事業区分ごとの事業名の例を参考に整理が必要である．），［2］収支相償の原則，［3］遊休資産）が重要であり，さらにガイドラインにおける参考「公益事業のチェックポイント」の補足（横断的注記）では，［1］当該事業が複数の事業区分に該当する場合，複数の区分が適用される等，事業単位ごとの審査がある．また，付随して行われる会議（検討会，委員会）は事業の一環として整理される．［2］各用語の解説として，「機会が一般に開かれているか」については，受益の機会が特定多数の者に限定されている場合は共益と考えられるが，機会が限定される場合でも，例えば別表各号の目的に直接的に貢献するといった合理的理由がある場合，不特定かつ多数の者の利益の増進に寄与するという事実認定をしうる（特定の資格を有する者の大半で構成される法人における講習会による人材育成が学術の振興に直接貢献すると考えられる場合，受講者が社員に限定されていても，公益目的業となしうる）等細かな解説がされているので，地元での検討に活用いただきたい旨が，また，このガイドライン（要点）は逐次内容を整備の上，その都度地方獣医師会に通知したい旨が説明された． 　3　役員の補欠選任の件 　大森専務理事から，布施理事から3月末日付けで理事の辞任届が提出されており，役員選任管理委員会を開催する等，手続きを進めていたところ，ご本人がご逝去されたところであるが，このたび中部地区から理事候補者を推薦いただいた．ついては，残任期間を務める本理事候補者について，公示等所定の手続きを経て総会で承認いただく予定としたい旨説明された． 　4　日本獣医師会会長感謝状を授与した件 　大森専務理事から，本会が協力するテレビ番組「NHK/BS2・ペット相談」が700回目を迎えたため，日本放送協会制作局衛星放送制作センター及び株式会社NHK情報ネットワーク番組制作部に対し，同回の収録に合わせて感謝状を授与した．なお，手続きとして理事会の承認が必要であったが，時間的制約があったため，本日の報告をもって了承願いたい旨説明された．