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会議報告

平成17年度全国獣医師会会長会議の議事概要

I 日 時:
平成18年3月17日(金)10:15〜12:30

|| 場 所:
ホテルフロラシオン青山「孔雀」

||| 出席者:
【地方獣医師会】
55地方獣医師会長ほか
【日本獣医師会】
会  長: 山根義久
副会長: 藏内勇夫,中川秀樹
専務理事: 大森伸男
地区理事:
  田村誠朗,坂本禮三,高橋三男,手塚泰文,杉山俊一,小島秀俊,宮地忠義,麻生 哲
職域理事: 近藤信雄,細井戸大成,横尾 彰,森田邦雄
監  事: 桑島 功,高野貞男,玉井公宏
(欠席理事:白石清則,酒井健夫,大田霙三)

|V 議 事:

1 業務概況等の件
2 平成17年度関係省庁等要請活動の件
3 平成17年度地区獣医師大会決議要望事項等に対する対応の件
4 職域別部会の編成と運営状況の件
5 日本獣医師会三学会年次大会開催の件
6 公益法人制度改革の件
7 小動物臨床分野における卒後臨床研修対応の件
8 ケタミンの麻薬指定の動きと対応の件
9 改正動物愛護管理法及び外来生物法の施行に伴う対応の件
10 動物衛生・畜産安全確保を巡る情勢及び平成18年度政府関係予算概算決定の件
11 その他
V 会議概要:
【会長挨拶】
 山根会長から,大要次のとおりの挨拶がなされた.
(1)昨年発足した職域別部会については,現在,各部会の委員会において,職域の検討課題について実りある議論を重ねている.
(2)三学会年次大会(連携大会)については,各位の支援により事前登録者も増加し,秋篠宮殿下をお迎えして盛大に執り行いたいと考えている.
(3)「生き残る種は最も強い種でもない,最も賢い種でもない」.1859年ダーウィンが種の起源における進化論の一説として唱えた言葉であるが,宗教色が強く,固定観念に支配されていたイギリスにおいて,このような改革論が議論された背景には,資本主義の復興が考えられる.同年,日本は明治維新の真っ只中にあり,維新の礎を作った佐藤一斎が没し,その弟子,佐久間象山の弟子にあたる吉田松蔭も刑場の露と消えた.佐久間象山は,「謗る者あれば,汝の謗るに任す.嗤う者あれば,汝の嗤うに任す.天に公に本,我を知る.他人に知るを覓めず.」という言葉を残し,改革の難しさを知らしめた.
 私が国立大学へ赴任した12年前,獣医学教育充実に向け,再編整備が議論されている最中であり,その方向性は打ち出されたものの,昨年の国立大学の独立法人化に伴い,あえなく頓挫してしまった.改革には,血と汗の滲む,努力と忍耐,そして,確固たる決意が必要であることを実感している次第である.一方,藤原正彦氏著の「国家の品格」の中で,日本の文化,品格をどのように維持するか,切々と述べられているが,まさにわれわれ,獣医師が職能団体として,社会から求められているのは品格であり,目先のことのみならず,何十年先を見据えた取組みを講ずる必要があると感じている.
 そのためにも,会員各位から,今後,一層の協力,支援をいただきたい.

【座長就任】

 山根会長から,遠山吾一・茨城県獣医師会会長を座長に指名して,以下のとおり議事が進められた.

【議  事】

1 業務概況等の件
(1)大森専務理事から,前回理事会以降(平成17年4月1日から平成18年3月10日まで)の業務概況について報告が行われた.
(2)質疑応答として,当方の地方獣医師会では,主務担当課から,社団法人の翌年度の予算執行については,前年度中に審議,決定されたい旨の指導があったが,日本獣医師会の平成18年4月からの予算執行にかかる手続きはどのような方法であるか質疑があり,これに対して,大森専務理事から,総会で予算案を承認いただくまでの間(4月から6月まで)の予算については,定款の定めるところに従い,理事会において承認を受ける暫定予算により執行するとされている.その暫定予算については,昨日の理事会において承認され,これに基づき執行する旨回答された.

2 平成17年度関係省庁等要請活動の件
 大森専務理事から,[1] 5月6日,環境省自然環境局長,都道府県自然環境部局主務課長,各獣医学系大学獣医学科長あて,「野生動物救護対策の一層の推進」について(本誌第58巻第7号447頁参照),[2] 5月16日,文部科学省初等中等教育局長,農林水産省消費・安全局長,環境省自然環境局長,都道府県教育委員会教育長あて,「学校飼育動物活動の推進」について(本誌第58巻第7号447頁参照),[3] 5月16日,文部科学省高等教育局長,農林水産省消費・安全局長,日本学術会議会長,獣医学系教育関係3団体,獣医学系大学学長あて,「獣医学教育改善に向けての取り組み」について(本誌第58巻第6号364頁参照),[4] 9月26日,環境省中央環境審議会動物愛護部会あて,「動物愛護管理法の一部を改正する法律施行等のあり方」について(本誌第58巻第11号722頁参照),[5] 1月4日,厚生労働省医薬食品局長,農林水産省消費・安全局長,動物用ケタミン製剤製造関係メーカー等5社あて,「ケタミンの麻薬指定」について(本誌第59巻第2号91頁参照),[2] 2月3日,厚生労働省健康局結核感染症課長あて,「狂犬病予防法に基づく犬の定期予防注射の取り組み」について(本誌第59巻第3号158頁参照),おのおの要請活動を実施した旨報告された後,山根会長から,動物愛護法の一部改正に関連して,ペット用品工業会から,一部改正に際して自主的に勉強会を開催しているが,今後,地方獣医師会にも指導いただき,法の遵守に努めたいたいとの申し出を受けた旨が補足説明された.

(2)以上の説明に対して,大要次のとおりの質疑応答が行われた.
ア. 狂犬病予防注射事業について,先般,県の法人検査の際,委託事業として収入に消費税を計上しているため,今後は,公益法人改革に伴い,収益と見なされ,公益法人と認められなくなる旨指導されたが,今後,日本獣医師会から地方獣医師会へ逐次,情報等を提供いただきたい.
 これに対して,大森専務理事から,今通常国会で公益法人制度改革関連法案が提出されているが,改革の中で公益認定法人として認定を得るためには,地方獣医師会における狂犬病予防注射事業の位置付けは重要な問題であり,今後,小動物臨床部会を中心に中期的対応を議論して整理したいと考えている.公益法人制度改革については,引き続き,新制度の内容が明らかになる中で獣医師会としての対応の問題点等を連絡いただき,その対応の検討に努めたい旨回答された.
イ. 奈良県では,開業獣医師へ少年院から,少年の社会復帰のため,獣医師による動物を介した講義を依頼された.これについては,個々の獣医師でなく,全国的な対応をすべきと思われる.
 これに対して,山根会長から,類似例として,学校飼育動物による教育活動については,群馬県が先進的に活動を行い,すでに学校獣医師が制度として設置されたが,元は個人獣医師の活動が,獣医師会,県教育委員会へと活動が広がったと聞いている.本件も青少年の育成に関わる重要事項として,獣医師側からの情操教育への関与の必要性も鑑み,今後の対応について模索していきたい旨回答された.
ウ. 動物愛護管理法の一部改正に関する要請における動物の取り扱い業に関する事項,犬及び猫の引取り及び負傷動物収容等については,どのような内容か説明願いたい.
 これに対して,大森専務理事から,法律の一部改正にあわせて政省令の一部改正の内容が中央環境審議会動物愛護部会の中で検討された際,本会から,取り扱い業者への具体的な対応として,[1] 幼齢動物販売に対する月齢制限,[2] 展示販売に当たっての終日展示の制限,[3] 販売に当たっての獣医師の関与(業者は獣医師の健康チェック,ワクチン接種証明書等添付する),[4] 販売動物のトレーサビリティ確保(業者の仕入れ,飼育状況の書類記帳,保管義務)について要請し,ほぼその内容が政省令に反映された.また,所有者者責任の担保措置として,マイクロチップ(MC)が必要不可欠として要請したが,当面,危険動物の義務付けのみで,犬猫等家庭動物,展示動物については,個体識別の一手段として環境大臣の定める基準の中で整備された.今後,外部環境が整ったところで,MCを推進する土壌ができたが,一方で,犬猫等の引取りの最終保護管理施設である保健所,動管センターでのMC読み取り業務の体制整備についても基準の中で規定された旨回答された.
エ. 現状,動物愛護管理法違反の取締まりについては,緩やかに思われるがどのように対応されているのか.
 これに対して,大森専務理事から,行政当局の体制整備が必要であり,動管センターは取締まり等,中心的な役割を担う地方自治体の行政機関としての認識の下,動物愛護担当職員としての獣医師専門職員の配置促進,動物取扱業の監視・指導,個体識別・事務執行体制の整備について要請し,環境省から各自治体へ指導を依頼した旨回答された.
オ. 人と動物の共通感染症等発生した場合,人への対応が中心となり,動物側に情報が提供されない事例もある.公衆衛生分野と農林水産分野の部署の連携強化が必要と思われる.
 これに対して,大森専務理事から,BSE,鳥インフルエンザ問題を契機とした,農林水産部局との厚生労働部局が連携強化のあり方,感染症法の整備により位置付けられた獣医師の役割の地域での推進のあり方等,職域別部会の委員会の中で議論しており,この結果を踏まえ,対応したい旨回答された.

3 平成17年度地区獣医師大会決議要望事項等に対する対応の件
 大森専務理事から,平成17年度地区獣医師大会決議要望事項等に対する対応について,次のとおり説明が行われた.
《本誌283頁(平成17年度第5回理事会の会議議事概要)と同様》

4 職域別部会の編成と運営状況の件
 大森専務理事から,職域別部会の編成及び各部会委員会の開催状況等が説明され,会議概要については,逐次,「日本獣医師会ホームページの会員・構成獣医師専用サイト」に掲載している旨報告された(本誌300頁参照).

5 日本獣医師会三学会年次大会開催の件
 大森専務理事から,平成17年度日本獣医師会三学会年次大会(連携大会)について次のとおり説明が行われた後,平成18年度の委託開催を担当される埼玉県獣医師会高橋三男会長から,決意表明及び参加協力を依頼する旨の挨拶がなされた.
《本誌284頁(平成17年度第5回理事会の会議議事概要)と同様》

6 公益法人制度改革の件
 大森専務理事から,公益法人制度改革について,次のとおり説明が行われた.
《本誌第59巻第4号217頁(平成17年度地区獣医師会連合会会長会議議事概要)と同様》

7 小動物臨床分野における卒後臨床研修対応の件
 大森専務理事から,小動物臨床分野における卒後臨床研修対応について,次のとおり説明が行われた.
《本誌284頁(平成17年度第5回理事会の会議議事概要)と同様》

8 ケタミンの麻薬指定の動きと対応の件
 大森専務理事から,ケタミンの麻薬指定の動きと対応について,次のとおり説明が行われた.
《本誌285頁(平成17年度第5回理事会の会議議事概要)と同様》

9 改正動物愛護管理法及び外来生物法の施行に伴う対応の件
 大森専務理事から,改正動物愛護管理法及び外来生物法の施行までの経過,本会の対応,法律・政省令について資料として整理したので活用いただきたい旨説明された.

10 動物衛生・畜産安全確保を巡る情勢及び平成18年度政府関係予算概算決定の件
 大森専務理事から,農林水産省消費・安全局衛生管理課の再編後の業務分担,牛トレーサビリティ,獣医療の提供体制,小動物獣医療,動物用医薬品の安全確保,飼料の安全と品質確保,水産安全,ポジティブリスト制等の取組み状況の他,平成18年度政府関係予算概算決定の概要について,資料として整理したので活用いただきたい旨説明された.