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会議報告

平成17年度第4回理事会の議事概要

I 日 時:
平成17年12月20日(火)13:30〜16:00

|| 場 所:
日本獣医師会 会議室

||| 出席者:
会  長:山根義久
副会長:藏内勇夫,中川秀樹
専務理事:大森伸男
地区理事:田村誠朗(北海道地区)
坂本禮三(東北地区)
高橋三男(関東地区)
手塚泰文(東京地区)
杉山俊一(中部地区)
小島秀俊(近畿地区)
白石清則(中国地区)
宮地忠義(四国地区)
麻生 哲(九州地区)
職域理事:近藤信雄(開業(産業動物))
細井戸大成(開業(小動物))
横尾 彰(家畜共済)
監  事:桑島 功,高野貞男,玉井公宏
欠  席:酒井健夫(学術・教育・研究担当理事)大田霙三(畜産・家畜衛生担当理事)
森田邦雄(公衆衛生担当理事)

|V 議 事:
【報告事項】
  1. 業務概況等の件
  2. 要請活動等に関する件
  3. 職域別部会部会委員会の運営状況の件
  4. 平成17年度地区獣医師大会・地区学会の開催状況及び地区大会等において提出された決議要望事項等の件
  5. 今後における日本獣医師会三学会年次大会の開催計画の件
  6. 日本獣医学会との連携推進等の件
  7. 動物ID普及推進会議によるマイクロチップ個体識別事業推進等の件
  8. 平成17年度日本獣医師会獣医学術奨励賞(学術賞・功労賞)の選考結果の件
  9. 公益法人制度改革等の件
  10. 塩酸ケタミン製剤の件
  11. その他
【議決事項】
賛助会員入会の件
【協議事項】
世界獣医学協会地区代表評議員推薦対応の件
【連絡事項】
今後の主要会議等の開催計画の件

V 会議概要:
【会長挨拶】
 冒頭,山根会長から,大要次の挨拶があった.
(1)本日,午前中に中間監査会があり,後ほど監事より監査報告をいただく予定である.
(2)本年度の三学会年次大会(連携大会)は,地元茨城県獣医師会の協力を得ながら,現在,さまざまな企画を計画し,プログラムの充実を図っており,多くの参加者が得られるよう,理事各位においては広報等に特段の支援を願いたい.
【議長就任・議事録署名人の指名】
 続いて,大森専務理事から役員の紹介が行われた後,山根会長が議長に就任し,坂本,横尾両理事を議事録署名人に指名して会議が次のとおり行われた.
【報告事項】
  1. 業務概況等の件
     前回理事会以降(平成17年9月1日から平成17年12月10日まで)の業務概況について大森専務理事から報告が行われ,続いて玉井代表監事から,午前中に行われた監査報告として,定款第47条及び監査規定に基づき,平成17年4月1日から平成17年9月30日までの上期の法人財産状況及び理事の業務執行状況等について,会長から提出された資料に基づき監査した結果,理事の業務執行については法令,定款に違反することなく処理されており,また,経理処理及び財務の状況については会計諸帳簿,証拠書類等に基づき精査,照合を行ったところ,いずれも適正に処理されていることを認める旨報告された.

  2. 要請活動等に関する件
     大森専務理事から,[1]9月26日,環境省中央環境審議会動物愛護部会あて,「動物愛護管理法の一部を改正する法律施行等のあり方」について(本誌第58巻第11号722頁参照),[2]10月24日,公明党平成18年度税政改正等ヒアリングにおいて,「動物愛護福祉施策及び心の健康教育実施体制の整備・充実」について,[3]10月27日,公明党文部科学・環境・動物愛護法改正検討WTあて,「心の健康教育推進のための学校飼育動物対策(動物介在教育)の整備・充実」について([2]及び[3]は本誌第58巻第12号791頁参照),おのおの要請活動を実施した旨報告された.

  3. 職域別部会部会委員会の運営状況の件
     大森専務理事から,本年度新たに発足した職域別部会委員会における初回の開催状況が説明された後,部会長である担当理事等から検討テーマ等について次のとおり報告された.
     まず,近藤理事から,[1]産業動物・家畜共済委員会においては,検討テーマを産業動物診療獣医師の確保対策に絞り検討を進めることとしたこと,続いて,細井戸理事から,[2]小動物委員会においては,a.小動物診療獣医師に対する臨床研修体制の整備,b.獣医核医学等の高度医療対応,c.広告規制の見直し,d.動物医療補助者制度のあり方,狂犬病予防注射事業整備の方向について,[3]動物愛護福祉委員会(太田光明委員長)においては,a.動物愛護管理法一部改正法施行に向けての対応,b.緊急災害時における動物救護活動のあり方について,[4]野生動物委員会(羽山伸一委員長)においては,a.外来生物の捕獲等,取扱いについて,b.野生動物の安楽死に関する技術指針について,[5]学校飼育動物委員会(唐木英明委員長)においては,a.学校教育における動物飼育の位置付け,b.地域ネットワーク体制の整備(教育委員会・学校主導による整備の方向性),c.学校と獣医師の関係強化(いわゆ学校獣医師の配置),d.関係団体との協力関係の構築について,おのおの検討テーマとしたこと,次に,大森専務理事から,[6]家畜衛生委員会(大田霙三委員長)においては,a.家畜保健業務のあり方,b.鳥インフルエンザ対策の推進,c.家畜保健衛生部門と公衆衛生部門のあり方,d.家畜衛生を推進する上での獣医師会の役割について,[7]公衆衛生委員会(森田邦雄委員長)においては,a.共通感染症対策の地域における取組み体制のあり方(地域における共通感染症対策の整備・充実),b.共通感染症対策と獣医師の役割,c.獣医公衆衛生部門と家畜衛生部門の連携のあり方,d.共通感染症の国民に対する情報提供のあり方について,[8]学術・教育・研究委員会(酒井健夫委員長)においては,a.外部評価システム必要性と大学の自覚,b.外部評価のフレームワーク,c.文部科学省と連携,d.獣医師国家試験について,[9]獣医師専門医制検討委員会においては,欧米の前例を踏まえた,専門医機構の構築について,[10]獣医師生涯研修事業運営委員会(山中正成委員長)においては,a.「認定証」交付者の位置付け,b.事業内容の方向,c.広報の方法について,おのおの検討テーマとされたこと,さらに[11]総務・広報委員会については,広報対策の推進及び地方獣医師会との連携,動物医療相談対応のあり方,助成・委託事業(地方獣医師会における講習会等の実施)の対応,公益法人制度改革対応について意見を得,業務に反映することとしたこと,[12]獣医師福祉共済事業運営委員会(高橋三男委員長)においては,加入促進,加入資格,事業設計,附加補償,他商品との競合,広報対策等の課題における発展的整備について検討すること,(13)HACCP手法研修用教材検討委員会(岡本嘉六委員長)においては,本年度は,乳牛編,肉牛編,養豚編のテキスト,CD-ROMの作成することが,報告された(注:職域別部会の各部会委員会会議概要については,逐次,「日本獣医師会ホームページの会員・構成獣医師専用サイト」に掲載している).

  4. 平成17年度地区獣医師大会・地区学会の開催状況及び地区大会等において提出された決議要望事項等の件
    (1)大森専務理事から,本年度の地区大会,地区学会の開催状況が報告され,その中で九州地区においては,昨年の北海道地区に続き,日本獣医学会の秋季学術集会と連携開催された旨が補足説明された後,本年度,各地区獣医師大会において示された決議要望事項について示され,さらに項目ごとに整理し,地区獣医師会連合会会長会議において対応等協議したい旨説明された.
    (2)次に大要以下のとおり質疑応答があった.

    ア 四国地区の県市では獣医師を募集しても応募が少なく,勤務してもすぐに退職するような現状にあり,家畜保健衛生所等における検査,防疫業務に支障をきたすことが危惧されている.財政問題はあるが公務員獣医師の待遇改善について現実的な取組みを進める必要がある.
     これに対して,山根会長から,本会,全国家畜衛生職員会,全国公衆衛生獣医師協議会の三者でも協議してきた.地方自治体では逼迫した財政状況にあるが,しっかりと理論武装して待遇改善に向け対応したいこと,続いて,藏内副会長から福岡県では,待遇改善の前例を作ったが,一方でしっかり職責を全うする人材育成が必要不可欠であることが回答された.

    イ 狂犬病予防注射について,A県では,倫理違反を繰返す会員外の獣医師が市当局に集合注射事業に参画させるよう申し出た事例がある.獣医師会からは,法律に基づく義務接種の徹底指導は県等地方公共団体の責務であり,集合注射は狂犬病防疫の施策推進上の要となるものと位置付けた上で,県から市に対する指導を依頼した.当獣医師は他県にわたり分院を開設しているため,今後,他県でも同様の申し出をすることも予想されるので,情報提供を依頼したい旨の報告がなされた。


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