会議報告

【議  事】
 議長により次のとおり議案審議が進められた.

 第1号議案:平成16年度事務事業及び決算報告の件
 大森専務理事から平成16年度事務事業報告については,重点事項のみ,決算報告については予算額と決算額の差異の大きな項目のみ,説明された(別記1.平成16年度決算報告書).その中で新潟県獣医師会布施会長から新潟県中越地震における被災動物救護活動について,教護動物数の減数等に鑑み,新潟県中越大地震動物救援本部を5月末で解散し,以降に新潟県へ引継ぎを依頼した旨の報告と全国の獣医師会からの支援に対するお礼が述べられた後,玉井代表監事からの決算監査報告が大要次のとおり行われた.


〔決算監査報告〕
 「平成16年度における日本獣医師会の事務事業の実施状況および会計状況について,会長から事務事業の報告ならびに収支計算書,および財産目録等の提出を受け,一般会計および特別会計についてそれぞれ諸帳簿,証拠書類等に基づき監査した結果,いずれも定款およびその他の規程に従い,適正に処理されていたことをご報告申し上げる.
 なお,これまで懸念された組織財政の見直しの必要性については,現執行部および事務当局が,これによく応えてきたことを高く評価する.今後も会員および執行部が一致団結し,日本獣医師会のさらなる発展を望む.」
 質疑として,[1]現在,専務理事が事務局長を兼任しているが,今後もこのような体制を続けること,[2]平成16年度に依願退職した職員の退職理由,[3]一般会計の管理費における役員報酬の範囲,[4]職員の退職金の支払額について質疑があり,[1]については,専務理事の負担は大きくなるが,現在,執行体制に支障はなく,今後は新執行部において検討されると考えること,[2]については,A職員については,本人から退職の申し出がなされた際,定年までの勤務を慰留したが,学位の取得と職務の両立が難しく研究を優先したいとのことで退職を認めた.B職員については,定年まで数カ月あったが,受け入れ先のC事務所から,秘書として一刻も早く勉強を兼ねて勤務いただきたいとの要請があり,本人了解のうえで退職した旨が五十嵐会長から回答され,[3]および[4]については,報酬,退職金の件を含め,会務,会計については,適切な執行がなされている旨が監査報告において説明されたところであり,また,退職金の額については,決算書において総額で示しているが,個人情報の関係もあるので,了解いただきたい旨が大森専務理事から回答された後,本議案は原案どおり異議なく可決承認された.

 第2号議案:平成17年度事業計画(案)及び収支予算(案)の件
 第3号議案:平成17年度会費及び賛助会費の件
 第2号議案,第3号議案は関連議案として一括上程され,大森専務理事から平成17年度事業計画(案)(別記2.平成17年度事業計画)および収支予算(案)(別記3.収支予算書)について昨年度と大きく異なる事項,科目の要点について説明が行われた後,引き続き,平成16年度会費および賛助会費について説明がなされた.
 質疑等として,[1]全国各地に設置されつつある夜間救急診療施設について,小動動物医療体制の整備促進を目指す獣医師会が積極的に行う事業である.しかしながら,地方獣医師会では,総意を得られないため,有志により運営されている実情がある.日本獣医師会に小動物臨床部会が新設されることから夜間診療および高度医療の推進について方向を示し,地方獣医師会を指導いただきたい.[2]会費に関して,日本獣医師会構成獣医師の会費が動物病院において院長と勤務医,研修医が同額であり,これが勤務医等の入会率の低下に繋がると思われる.勤務医の会費の見直しを願いたい.また,獣医師は国家から資格を与えられ獣医療を営む権利を有する一方,万一,狂犬病等が発生した場合,獣医師は身を挺してその対応に務める責務を負う.獣医師会会員でなければ開業できないよう要請を願いたい,[3]当獣医師会で夜間救急動物病院を開設する予定である.今後の運営においては,財政的な問題もあるが,動物医療の充実のために努力したいので,日本獣医獣医師会の指導,支援を願いたいとの意見,要望が出され,[1]については,診療技術の高度化・多様化,専門分化への対応については,今後の小動物医療に問われる課題の一つであり,現在,農林水産省に設置された小動物獣医療に関する検討会において今後の小動物医療体制について議論されているが,本会も受身ではなく職域別部会制の発足に伴って小動物臨床部会の中で議論を詰めて行く必要があり,小動物医療の整備,推進については問題意識を共有しながら,積極的な意見を依頼したい,[2]については,日本獣医師会の会費は,団体会員制としての会費であり,獣医師の職域は多種多様であるが,団体会費の算定基礎の一要素としての構成獣医師割会費は一本としていることを理解いただきたい.また,団体会費であるという性格の会費をどのように分担するかについては,各地方獣医師会の中で考慮していただくものであることを理解してもらいたい旨が大森専務理事から回答された後,本議案は原案どおり異議なく可決承認された.

 第4号議案:獣医師道委員会委員改選の件
 第5号議案:役員選任管理委員改選の件
 第4号議案:第5号議案は一括上程され,大森専務理事から委員の任期満了に伴い,理事会の承認を受けた各候補者についての承認を求めた後,本議案は異議なく承認された.

 第6号議案:役員選任の件
 岡本役員選任管理委員長から役員の任期満了に伴う選任について,事務続き等の経過の説明が行われ,副会長,専務理事,地区理事,職域理事,監事については定数内の推薦であったことから本総会の承認を得て選任されること,また,会長の選任については,本総会において選挙により選任することが報告され,会長の選任について説明された.
 質疑当等として,[1]選挙を行うにあたって,出席会員数と表決件数の確認を求める,[2]本投票は無記名であるが,投票用紙の記載場所に立会人は必要か,との質疑,意見があり,[1]については,現在の出席会員数55,総表決権数165で全員出席である,[2]については,先の役員候補者の推薦に関して,記載にあたっての留意事項があるにもかかわらず,内容に不備がある書類が提出されたため,投票用紙記載場所においても誤った記載がないよう注意する意味も込めての対応であったが,立会人の配置は行わないこととする.ただし,記入にあたっては間違いのないよう留意してほしい旨が岡本委員長から回答された後,選挙が行われ,会長選挙結果報告書に基づき,議長から選挙結果が次のとおり発表され,山根義久候補の当選が報告された.

〔会長選挙結果〕
 投票件数:165票,投票総数:165票,
 有効投票数:165票,無効投票数:0票

  金川弘司     48票
  山根義久     117票

  続いて議長から,副会長,専務理事,地区理事,職域理事,監事候補者の氏名が読み上げられ,新役員として,異議なく可決承認された.

〔新役員紹介〕
 岡本委員長から次の新役員名が読み上げられた.

  会  長:山根義久
  副会長 :藏内勇夫,中川秀樹
  専務理事:大森伸男
  地区理事:田村誠朗(北海道地区),坂本禮三(東北地区),
       高橋三男(関東地区),手塚泰文(東京地区),
       杉山俊一(中部地区),小島秀俊(近畿地区),
       白石清則(中国地区),宮地忠義(四国地区),
       麻生 哲(九州地区)
  職域理事:酒井健夫(学術・教育・研究),近藤信雄(開業(産業動物)),
       細井戸大成(開業(小動物)),横尾 彰(家畜共済),
       大田霙三(畜産・家畜衛生),森田邦雄(公衆衛生)
  監  事:桑島 功,高野貞男,玉井公宏

【議長・副議長の退任挨拶】
 議長から円滑に議事が終了したことへのお礼を旨とする退任の挨拶が行われた.

【五十嵐会長退任挨拶】
 本日は,早朝からこの暑い中をお集まりいただき,感謝にたえない.議事も円満裏に進行していただいた.これは議長,副議長のご配慮はもちろんであるが,皆さんの善意ある,温情ある御心によるものと深く感謝する.
 なお,私も高齢加えるに浅学非才の身であったが,3期6年間,副会長,それから皆さんからのご指導,ご鞭撻により,大過なく過ごさせていただいたことは,終生忘れ得ないことであり,深く感謝の意を申し上げたい.私はよく,中国の故事を用い,水を飲むときに井戸を掘った人を忘れてはならないということを申しているが,この6年間にわたって厚いご支援をいただいたことを心から感謝申し上げ,またこれからも皆さんがご健在で,日本獣医師会のますますの発展にご努力をお願いしたい.
 新執行部は,過去幾代にもわたって築いた日本獣医師会のよいところを継承していただき,さらにこの変革の時代に適応するような施策を各県獣医師会長のご意見も尊重しながら取り組まれることと私は信じている.どうか,新執行部におかれては,今まで以上にこの急変する世の中に対応していただきながら,よき伝統を維持して,日本獣医師会21世紀にかくありという姿を示していただきたい.それには,何と申しても皆様の和が必要であると私は信じている.どうか新執行部に,皆さんも私以上に愛の心を込めてご支援,ご鞭撻くださることを心から祈念し,長年にわたるご支援に深く感謝を申し上げて御礼の言葉とする.ありがとうございました.

【閉  会】
 大森専務理事から第62回通常総会の閉会が告げられた.