会議報告

第61回通常総会の議事概要

1.日時及び場所: 平成16年6月24日(木)13時〜16時
東京都港区元赤坂2-2-23
明治記念館・2階「蓬莱の間」
2.出席会員数: 55会員(うち仙台市獣医師会は,書面表決)
3.出席役員: 20人
会  長: 五十嵐幸男
副会長: 金川弘司,辻 弘一
専務理事: 大森伸男
地区理事: 坂井清治,武田金之助,中川秀樹,手塚泰文,東出義弘,
串田壽明,坪倉 操,竹内 久,藏内勇夫
職域理事: 酒井健夫,稲庭政則,岡本有史,横尾 彰,森田邦雄
(欠席理事:宮沢 壽・職域理事,
代理出席:鈴木清一・全国家畜衛生職員会副会長)
監  事: 玉井公宏,麻生 哲
4.審議事項及び議決事項:
第1号議案 平成15年度事務事業及び決算報告の件
第2号議案 平成16年度事業計画(案)及び収支予算(案)の件
第3号議案 平成16年度会費及び賛助会費の件
第4号議案 日本獣医師会定款の一部変更及び定款施行細則の一部改正の件

5.議事の経過概要:
≪開   会≫
 開会にあたり,朝日事務局長から,出席会員数は55会員(うち仙台市獣医師会は書面表決),表決権総数は164個であり,定款第24条第1項の規定に基づく定足数を満たしていることから,本総会が成立する旨の報告がなされた.

≪会長挨拶≫
 五十嵐会長から,要務繁忙の中をご臨席いただいた多数の来賓に対する謝意と,食の安全確保,共通感染症対応等を背景として,種々の重要案件がある中で,獣医師,獣医師会が社会の期待に応えていくためには,小異を捨て,大同について全国の獣医師会が一致団結して社会に貢献していかなければならない旨の挨拶が述べられた.

総会会場(明治記念館)

≪来賓挨拶(大要)≫

〔獣医師問題議員連盟 北村直人副幹事長〕
 皆様,ご苦労様でございます.紹介いただきました私も,一会員として皆様方のご指導をいただきながら,気がついてみましたら,もう19年目の政治活動に入ったわけでございます.大変遅くなりましたけれども,自由民主党の団体総局長といたしまして,昨年11月の衆議院の総選挙で,北海道から九州沖縄までそれぞれの都道府県の皆様方のご推薦をいただき,当選させていただいた仲間に代わりまして,皆様方にまず,感謝と御礼を申しあげる次第でございます.そして4月には,埼玉,広島,鹿児島の補選がございました.それぞれまた3県の獣医師の先生方には本当に大変なお世話になったわけでございます.改めて感謝と御礼を申しあげる次第でございます.
 先ほど,中央畜産会の山中先生のお話がございました.山中先生の後をしっかり受け継いでいただいた先生,私は山中先生の顔をみるたびにというよりも,山中先生は私の顔をみると,「おい,こら,北海道のブチ」と言って,私をホルスタインになぞらえて,「北海道のブチ,お前がしっかりしないとBSEでおかしくなるぞ」と,ご指導を賜ってきたところでございます.BSE問題では,今,消費者の皆様方はとにかく安全,安心,この安全と安心というのはちょっと意味合いが違うわけでありますが,しかし消費者の皆さん方は同じだと思っているわけでございます.安全なこの商品,そして安全な消費されるわれわれの食べ物,このことにまずきちっと主眼を置いていかなければならない.そのためにも畜産会でご尽力されている獣医師の先生方には,なお一層のご指導とご鞭撻をいただかなければならないと思うところでございます.
 そしてもう一つ,人と動物,人畜共通感染症はやはりわれわれにとっては大きな大きな問題でございます.しかし,特に今,40数年間狂犬病がないとの観点から,先般も私が委員長を務めている自由民主党の動物愛護検討小委員会においても,バッチを付けた先生方数名が,狂犬病のワクチンはもう必要ないのではないかと,発言されるような状況すらあるわけでございます.私たちは,正確な情報を伝え,国民の皆様方に人畜共通の感染症は重要な問題であるということを日々伝えていかなければならないし,その万全な対策を取っていかなければならないと思っているところでございます.
 さらにまた,今,大学のこの再編を含めて,獣医学を学ぶ若い次世代の若者たちが,本当に金の卵として大学の獣医学科に入学されるわけであります.6年間の教育を受けて,さて,本当に金の卵,そのままでこの世に出てこられるかというと,どうもブリキに近いかたちで世に出てこられているようにも思われます.そのことをわれわれはしっかり踏まえた中で,この次の獣医学,あるいは次世代の獣医師の養成,育成にどのような方向をもって,大学等々での教育を充実させていくべきか,ということも大きな,喫緊の課題であるところでございます.
 そしてもう一つ,先般の内閣の調査では,日本の家庭で約45%を超える方々が愛玩と申しましょうか,ペットとともに暮らしているという実情でございます.そうなりますと,小動物に関わりご活躍をいただいております先生方にも,なお一層のご指導と,そしてまた文部科学省における学校飼育動物に対しても,どのようなかたちでわれわれは目を向けていかなければならないか等々,大変大きな問題があるわけでございます.
 駄弁は申しません.それぞれの分野でご活躍をいただいている方々が,今後のこの日本獣医師会,そしてまた獣医療,あるいは獣医師の育成というところにわれわれ先輩の皆様方が,しっかり目を向けていかなけばならないと思っております.そして究極的にはわれわれはやはり天職として,大学で獣医学を学び獣医師という国家試験を受け,この資格をいただいたわけでございます.そのわれわれが一生涯現役で暮らしていける世界を,また社会を,われわれは次世代に作っていかなければならないと思っております.決して御殿ができるようなことではないにしても,一生涯この獣医師として現役で働いていける,生活ができるという環境を,われわれは作らねばならないと考えているところでございます.
 先般,自民党の中の獣医師問題議員連盟では,江藤隆美先生がご勇退をされましたので,今度は群馬の谷津義男先生を会長として迎えたわけでございます.そして,今まで事務局長の上杉参議院議員が幹事長,私が今度は事務局長ということで,たぶん7月11日の参議院選挙が終わりますと,その体制でまた皆様方の問題につきまして,自民党の獣医師問題議員連盟でしっかりと議論をし,また実現のために努力してまいりたいと思うところでございます.そのためにも団体総局長として最後に,この7月の参議院選挙に我が自由民主党は33名の比例の方々を公認候補として擁立をさせているところでございます.日本獣医師会からは日出英輔候補がご推薦をいただいているわけでございます.そしてまた,北海道から沖縄,九州まで50人の地方区の公認候補が,今日マイクを握って立候補したわけでございます.それぞれの都道府県の皆様方におかれましても,自民党の公認候補の地方区の先生方,あわせて33名,なかんずく日出候補がふたたびこの議席を得られますように,皆様方のなお一層のご指導をいただければ大変ありがたく,高い席から伏してお願いを申しあげながら,日本獣医師会のますますのご発展と,今日ご参会の皆様方のご活躍を心からご祈念をしながら,粗辞でございますけれどもご挨拶とさせていただきます.本日は誠におめでとうございます.


〔農林水産省消費・安全局 中川 坦局長〕
 ご紹介いただきました,農林水産省の消費・安全局長の中川でございます.社団法人日本獣医師会の第61回通常総会,大変なご盛会の中で開催されますことを,まずもってお喜び申し上げたいと思います.そして,冒頭にご指名でございますので,ご挨拶をさせていただきたいと思います.本日ご列席の皆様方におかれましては,常日頃から適切な獣医療の提供などを通じまして,飼育動物の保健衛生,あるいは公衆衛生の向上,また畜産物,水産物の安全確保,あるいはわが国の畜産業の健全な発展にご尽力をいただいておりますことに,まずもってこの場をお借りしてお礼を申しあげたいと思います.
 昨年の7月に,私ども農林水産省の組織が大きく変わりました.食の安全,安心の確保のための行政をもっぱら担当する部局といたしまして,私どもの消費・安全局というものが設置されたわけです.それから1年が経過いたました.この間,国民の各界,各層の方々との意見交換,あるいは関係業界との方々との意見交換とさまざまな努力を重ねまして,食料の生産段階から消費段階に至ります各ステージごとのリスク管理を迅速,確実に実施して,国民の方々の健康保護を最優先とする食品安全行政の推進に努力をしてきたところでございます.
 こうした中で,国内では昨年の秋にコイヘルペスウイルス病が発生いたしました.また年が明けますと高病原性鳥インフルエンザの発生というものも確認されましたし,国外におきましてもアメリカでのBSEの発生,あるいは中国やその他アジア諸国での高病原性鳥インフルエンザの発生ということで,さまざまな食の安全,安心にかかわる事件が続発したわけでございます.こういった問題に対しまして,農林水産省といたしましては関係の省庁と連携をいたしまして,家畜伝染病予防法の改正などによります家畜伝染病の発生の予防の徹底,あるいはまた,いったん発生してしまった場合にはそのまん延防止の体制を強化する.そういったことを通じまして,国民の方々の安全,安心の確保を第一に考えて対応してきたつもりでございます.
 こうした安全,安心にかかわる問題に対しまして,迅速かつ的確に対応していくためには,疾病発生の防止と早期通報,それから衛生対策の推進や指導の徹底など,獣医学に基づく広範な知識と高度の技術を有します獣医師の先生方のご活躍が,必要不可欠だと思っております.産業動物,あるいは公衆衛生にかかわる獣医師の方々の役割と責務がますます増大している今日,こうした社会のニーズに対応できますようにいっそうのご尽力,また行政へのご協力も賜りますよう,お願い申し上げたいと思います.
 これとの関連で一言付け加えさせていただきますと,昨今の食の安全,安心に関します国民の方々の関心の高さを考えますと,やはり何よりも大事なことは,生産現場において肥料農薬,あるいは飼料,動物医薬品といったさまざまな生産資材がそれぞれルールどおりに,きちっとルールに従って使用されているということが何よりも大事だと思っております.動物用医薬品の分野におきましても,要指示薬の使用に当たって,決められたプロセスを経てきちっと現場で使われますように,今日本獣医師会の会員の皆様方のご協力もいただきたいと思っております.先ほど総会資料を拝見させていただきますと,すでに昨年から,当獣医師会におかれてもそういった適正使用に向けた取り組みがされているということですが,これからもまたなお一層のご協力を賜りたいと思っています.
 それから小動物の獣医療分野についてですが,昨今の少子高齢化等の社会の変化によりまして,いわゆるコンパニオンアニマル,小動物の役割の変化というものが背景にございますが,高度かつ良質な獣医療の提供が大変求められてきているところでございます.こういったニーズに,私ども行政サイドとしても的確に対応いたしますために,衛生管理課の中に本年の10月からでありますが,小動物医療班という担当のセクションを設置することにいたしました.小動物に関します保健衛生の向上,あるいはより効果的,かつ効率的なそういった施策が実施できますように体制の整備に努めていきたいと考えております.小動物臨床に携わられます獣医師の先生方におかれましても積極的に専門知識,あるいは診療技術の習得に努められまして,日常の診療業務等を通じて小動物にかかわる正しい知識の普及と指導,あるいは保健衛生の向上にいっそうのご尽力を賜れればと思っております.
 この日本獣医師会が,獣医師に対します社会的な要請への的確な対応,あるいは動物の飼育者との信頼関係を基本として,何よりも質の高い獣医療の提供,あるいは獣医学に関しますさまざまな学術の振興なり普及に努められまして,引き続き社会のニーズに応えられる活動をされますことをご祈念申し上げたいと思います.最後になりましたけれども,社団法人日本獣医師会のますますのご発展と,ご出席の先生方のご健勝をお祈りいたしまして,粗辞ではありますけれども,冒頭のご挨拶にさせていただきます.これからもどうぞよろしくお願い申し上げます.本日はおめでとうございました.


〔厚生労働省医薬局 遠藤 明食品安全部長〕
 本日ここに,第61回社団法人日本獣医師会通常総会が盛大に開催されますことを心からお喜び申し上げます.皆様方におかれましては,日頃から食鳥検査の実施等による食肉衛生対策の推進をはじめとして,食中毒対策,狂犬病予防をはじめとした動物由来感染症対策,残留動物用医薬品対策等,公衆衛生行政の推進に種々の立場から多大なご協力を賜り,厚く御礼を申しあげます.
 昨年は,食品安全基本法の制定や食品衛生法等の改正のほか,食品保健部を食品安全部の改組するなど,食品安全行政にとって多いなる変動の年となりました.本年は改正法の着実な施行を図るため監視,指導体制の強化,規格,基準の整備,リスクコミュニケーションの推進などその着実な施行に努めております.
 さてBSE問題に関してでございますが,わが国はこうした米国産牛肉の輸入禁止措置については,現在日米両国の政府間による協議が行われているところであり,本年夏を目途に両国産牛肉の貿易再開につき,結論を出すべく努力しているところでございます.また,国内におけるBSE対策につきましては,特定危険部位の除去,焼却処分を着実に実施するとともに,BSE検査を継続することにより,食肉の安全性の確保に努めております.厚生労働省といたしましては,これらのBSE対策のほか,食肉,食鳥肉,鶏卵など動物性食品に起因する腸管出血性大腸菌,サルモネラなどの食中毒防止を図るため,と畜場及び食鳥処理場のほか,生産から消費までの各段階において安全対策の向上に取り組んでいるところであり,皆様におかれましては動物性食品等の衛生向上に,生産,流通等それぞれの立場から引き続きご協力を賜りますよう,お願い申しあげます.
 狂犬病対策につきましては,長年にわたり国の狂犬病予防接種についてご協力いただき,他の多くの国で狂犬病が発生している中でわが国での発生防止が図られており,皆様方のご協力によるものと感謝申しあげる次第です.また昨今,人の感染症対策における動物由来感染症対策の重要性が増していることにかんがみ,昨年の感染症法の改正で動物由来感染症対策の大幅な強化が図られ,獣医師の公衆衛生対策における責務規定等が新たに明示されたところです.今後,動物の輸入届出制度を創設するほか,犬のエキノコックス症等を新たに獣医師の届出対象疾病に追加するなど,いっそうの対策を進めていくこととしております.今後とも食品の安全確保対策,動物由来感染症対策など種々の施策の充実に努めてまいる所存でありますので,これら施策の推進にあたりましては,日本獣医師会のご理解とご協力を引き続きよろしくお願い申しあげる次第であります.
 最後になりましたが,今後の日本獣医師会のますますのご発展と,本日お集まりの皆様方のご健勝を祈念いたしまして,私の挨拶とさせていただきます.どうもおめでとうございました.


会議報告

第61回通常総会の議事概要

1.日時及び場所: 平成16年6月24日(木)13時〜16時
東京都港区元赤坂2-2-23
明治記念館・2階「蓬莱の間」
2.出席会員数: 55会員(うち仙台市獣医師会は,書面表決)
3.出席役員: 20人
会  長: 五十嵐幸男
副会長: 金川弘司,辻 弘一
専務理事: 大森伸男
地区理事: 坂井清治,武田金之助,中川秀樹,手塚泰文,東出義弘,
串田壽明,坪倉 操,竹内 久,藏内勇夫
職域理事: 酒井健夫,稲庭政則,岡本有史,横尾 彰,森田邦雄
(欠席理事:宮沢 壽・職域理事,
代理出席:鈴木清一・全国家畜衛生職員会副会長)
監  事: 玉井公宏,麻生 哲
4.審議事項及び議決事項:
第1号議案 平成15年度事務事業及び決算報告の件
第2号議案 平成16年度事業計画(案)及び収支予算(案)の件
第3号議案 平成16年度会費及び賛助会費の件
第4号議案 日本獣医師会定款の一部変更及び定款施行細則の一部改正の件

5.議事の経過概要:
≪開   会≫
 開会にあたり,朝日事務局長から,出席会員数は55会員(うち仙台市獣医師会は書面表決),表決権総数は164個であり,定款第24条第1項の規定に基づく定足数を満たしていることから,本総会が成立する旨の報告がなされた.

≪会長挨拶≫
 五十嵐会長から,要務繁忙の中をご臨席いただいた多数の来賓に対する謝意と,食の安全確保,共通感染症対応等を背景として,種々の重要案件がある中で,獣医師,獣医師会が社会の期待に応えていくためには,小異を捨て,大同について全国の獣医師会が一致団結して社会に貢献していかなければならない旨の挨拶が述べられた.

総会会場(明治記念館)

≪来賓挨拶(大要)≫

〔獣医師問題議員連盟 北村直人副幹事長〕
 皆様,ご苦労様でございます.紹介いただきました私も,一会員として皆様方のご指導をいただきながら,気がついてみましたら,もう19年目の政治活動に入ったわけでございます.大変遅くなりましたけれども,自由民主党の団体総局長といたしまして,昨年11月の衆議院の総選挙で,北海道から九州沖縄までそれぞれの都道府県の皆様方のご推薦をいただき,当選させていただいた仲間に代わりまして,皆様方にまず,感謝と御礼を申しあげる次第でございます.そして4月には,埼玉,広島,鹿児島の補選がございました.それぞれまた3県の獣医師の先生方には本当に大変なお世話になったわけでございます.改めて感謝と御礼を申しあげる次第でございます.
 先ほど,中央畜産会の山中先生のお話がございました.山中先生の後をしっかり受け継いでいただいた先生,私は山中先生の顔をみるたびにというよりも,山中先生は私の顔をみると,「おい,こら,北海道のブチ」と言って,私をホルスタインになぞらえて,「北海道のブチ,お前がしっかりしないとBSEでおかしくなるぞ」と,ご指導を賜ってきたところでございます.BSE問題では,今,消費者の皆様方はとにかく安全,安心,この安全と安心というのはちょっと意味合いが違うわけでありますが,しかし消費者の皆さん方は同じだと思っているわけでございます.安全なこの商品,そして安全な消費されるわれわれの食べ物,このことにまずきちっと主眼を置いていかなければならない.そのためにも畜産会でご尽力されている獣医師の先生方には,なお一層のご指導とご鞭撻をいただかなければならないと思うところでございます.
 そしてもう一つ,人と動物,人畜共通感染症はやはりわれわれにとっては大きな大きな問題でございます.しかし,特に今,40数年間狂犬病がないとの観点から,先般も私が委員長を務めている自由民主党の動物愛護検討小委員会においても,バッチを付けた先生方数名が,狂犬病のワクチンはもう必要ないのではないかと,発言されるような状況すらあるわけでございます.私たちは,正確な情報を伝え,国民の皆様方に人畜共通の感染症は重要な問題であるということを日々伝えていかなければならないし,その万全な対策を取っていかなければならないと思っているところでございます.
 さらにまた,今,大学のこの再編を含めて,獣医学を学ぶ若い次世代の若者たちが,本当に金の卵として大学の獣医学科に入学されるわけであります.6年間の教育を受けて,さて,本当に金の卵,そのままでこの世に出てこられるかというと,どうもブリキに近いかたちで世に出てこられているようにも思われます.そのことをわれわれはしっかり踏まえた中で,この次の獣医学,あるいは次世代の獣医師の養成,育成にどのような方向をもって,大学等々での教育を充実させていくべきか,ということも大きな,喫緊の課題であるところでございます.
 そしてもう一つ,先般の内閣の調査では,日本の家庭で約45%を超える方々が愛玩と申しましょうか,ペットとともに暮らしているという実情でございます.そうなりますと,小動物に関わりご活躍をいただいております先生方にも,なお一層のご指導と,そしてまた文部科学省における学校飼育動物に対しても,どのようなかたちでわれわれは目を向けていかなければならないか等々,大変大きな問題があるわけでございます.
 駄弁は申しません.それぞれの分野でご活躍をいただいている方々が,今後のこの日本獣医師会,そしてまた獣医療,あるいは獣医師の育成というところにわれわれ先輩の皆様方が,しっかり目を向けていかなけばならないと思っております.そして究極的にはわれわれはやはり天職として,大学で獣医学を学び獣医師という国家試験を受け,この資格をいただいたわけでございます.そのわれわれが一生涯現役で暮らしていける世界を,また社会を,われわれは次世代に作っていかなければならないと思っております.決して御殿ができるようなことではないにしても,一生涯この獣医師として現役で働いていける,生活ができるという環境を,われわれは作らねばならないと考えているところでございます.
 先般,自民党の中の獣医師問題議員連盟では,江藤隆美先生がご勇退をされましたので,今度は群馬の谷津義男先生を会長として迎えたわけでございます.そして,今まで事務局長の上杉参議院議員が幹事長,私が今度は事務局長ということで,たぶん7月11日の参議院選挙が終わりますと,その体制でまた皆様方の問題につきまして,自民党の獣医師問題議員連盟でしっかりと議論をし,また実現のために努力してまいりたいと思うところでございます.そのためにも団体総局長として最後に,この7月の参議院選挙に我が自由民主党は33名の比例の方々を公認候補として擁立をさせているところでございます.日本獣医師会からは日出英輔候補がご推薦をいただいているわけでございます.そしてまた,北海道から沖縄,九州まで50人の地方区の公認候補が,今日マイクを握って立候補したわけでございます.それぞれの都道府県の皆様方におかれましても,自民党の公認候補の地方区の先生方,あわせて33名,なかんずく日出候補がふたたびこの議席を得られますように,皆様方のなお一層のご指導をいただければ大変ありがたく,高い席から伏してお願いを申しあげながら,日本獣医師会のますますのご発展と,今日ご参会の皆様方のご活躍を心からご祈念をしながら,粗辞でございますけれどもご挨拶とさせていただきます.本日は誠におめでとうございます.


〔農林水産省消費・安全局 中川 坦局長〕
 ご紹介いただきました,農林水産省の消費・安全局長の中川でございます.社団法人日本獣医師会の第61回通常総会,大変なご盛会の中で開催されますことを,まずもってお喜び申し上げたいと思います.そして,冒頭にご指名でございますので,ご挨拶をさせていただきたいと思います.本日ご列席の皆様方におかれましては,常日頃から適切な獣医療の提供などを通じまして,飼育動物の保健衛生,あるいは公衆衛生の向上,また畜産物,水産物の安全確保,あるいはわが国の畜産業の健全な発展にご尽力をいただいておりますことに,まずもってこの場をお借りしてお礼を申しあげたいと思います.
 昨年の7月に,私ども農林水産省の組織が大きく変わりました.食の安全,安心の確保のための行政をもっぱら担当する部局といたしまして,私どもの消費・安全局というものが設置されたわけです.それから1年が経過いたました.この間,国民の各界,各層の方々との意見交換,あるいは関係業界との方々との意見交換とさまざまな努力を重ねまして,食料の生産段階から消費段階に至ります各ステージごとのリスク管理を迅速,確実に実施して,国民の方々の健康保護を最優先とする食品安全行政の推進に努力をしてきたところでございます.
 こうした中で,国内では昨年の秋にコイヘルペスウイルス病が発生いたしました.また年が明けますと高病原性鳥インフルエンザの発生というものも確認されましたし,国外におきましてもアメリカでのBSEの発生,あるいは中国やその他アジア諸国での高病原性鳥インフルエンザの発生ということで,さまざまな食の安全,安心にかかわる事件が続発したわけでございます.こういった問題に対しまして,農林水産省といたしましては関係の省庁と連携をいたしまして,家畜伝染病予防法の改正などによります家畜伝染病の発生の予防の徹底,あるいはまた,いったん発生してしまった場合にはそのまん延防止の体制を強化する.そういったことを通じまして,国民の方々の安全,安心の確保を第一に考えて対応してきたつもりでございます.
 こうした安全,安心にかかわる問題に対しまして,迅速かつ的確に対応していくためには,疾病発生の防止と早期通報,それから衛生対策の推進や指導の徹底など,獣医学に基づく広範な知識と高度の技術を有します獣医師の先生方のご活躍が,必要不可欠だと思っております.産業動物,あるいは公衆衛生にかかわる獣医師の方々の役割と責務がますます増大している今日,こうした社会のニーズに対応できますようにいっそうのご尽力,また行政へのご協力も賜りますよう,お願い申し上げたいと思います.
 これとの関連で一言付け加えさせていただきますと,昨今の食の安全,安心に関します国民の方々の関心の高さを考えますと,やはり何よりも大事なことは,生産現場において肥料農薬,あるいは飼料,動物医薬品といったさまざまな生産資材がそれぞれルールどおりに,きちっとルールに従って使用されているということが何よりも大事だと思っております.動物用医薬品の分野におきましても,要指示薬の使用に当たって,決められたプロセスを経てきちっと現場で使われますように,今日本獣医師会の会員の皆様方のご協力もいただきたいと思っております.先ほど総会資料を拝見させていただきますと,すでに昨年から,当獣医師会におかれてもそういった適正使用に向けた取り組みがされているということですが,これからもまたなお一層のご協力を賜りたいと思っています.
 それから小動物の獣医療分野についてですが,昨今の少子高齢化等の社会の変化によりまして,いわゆるコンパニオンアニマル,小動物の役割の変化というものが背景にございますが,高度かつ良質な獣医療の提供が大変求められてきているところでございます.こういったニーズに,私ども行政サイドとしても的確に対応いたしますために,衛生管理課の中に本年の10月からでありますが,小動物医療班という担当のセクションを設置することにいたしました.小動物に関します保健衛生の向上,あるいはより効果的,かつ効率的なそういった施策が実施できますように体制の整備に努めていきたいと考えております.小動物臨床に携わられます獣医師の先生方におかれましても積極的に専門知識,あるいは診療技術の習得に努められまして,日常の診療業務等を通じて小動物にかかわる正しい知識の普及と指導,あるいは保健衛生の向上にいっそうのご尽力を賜れればと思っております.
 この日本獣医師会が,獣医師に対します社会的な要請への的確な対応,あるいは動物の飼育者との信頼関係を基本として,何よりも質の高い獣医療の提供,あるいは獣医学に関しますさまざまな学術の振興なり普及に努められまして,引き続き社会のニーズに応えられる活動をされますことをご祈念申し上げたいと思います.最後になりましたけれども,社団法人日本獣医師会のますますのご発展と,ご出席の先生方のご健勝をお祈りいたしまして,粗辞ではありますけれども,冒頭のご挨拶にさせていただきます.これからもどうぞよろしくお願い申し上げます.本日はおめでとうございました.


〔厚生労働省医薬局 遠藤 明食品安全部長〕
 本日ここに,第61回社団法人日本獣医師会通常総会が盛大に開催されますことを心からお喜び申し上げます.皆様方におかれましては,日頃から食鳥検査の実施等による食肉衛生対策の推進をはじめとして,食中毒対策,狂犬病予防をはじめとした動物由来感染症対策,残留動物用医薬品対策等,公衆衛生行政の推進に種々の立場から多大なご協力を賜り,厚く御礼を申しあげます.
 昨年は,食品安全基本法の制定や食品衛生法等の改正のほか,食品保健部を食品安全部の改組するなど,食品安全行政にとって多いなる変動の年となりました.本年は改正法の着実な施行を図るため監視,指導体制の強化,規格,基準の整備,リスクコミュニケーションの推進などその着実な施行に努めております.
 さてBSE問題に関してでございますが,わが国はこうした米国産牛肉の輸入禁止措置については,現在日米両国の政府間による協議が行われているところであり,本年夏を目途に両国産牛肉の貿易再開につき,結論を出すべく努力しているところでございます.また,国内におけるBSE対策につきましては,特定危険部位の除去,焼却処分を着実に実施するとともに,BSE検査を継続することにより,食肉の安全性の確保に努めております.厚生労働省といたしましては,これらのBSE対策のほか,食肉,食鳥肉,鶏卵など動物性食品に起因する腸管出血性大腸菌,サルモネラなどの食中毒防止を図るため,と畜場及び食鳥処理場のほか,生産から消費までの各段階において安全対策の向上に取り組んでいるところであり,皆様におかれましては動物性食品等の衛生向上に,生産,流通等それぞれの立場から引き続きご協力を賜りますよう,お願い申しあげます.
 狂犬病対策につきましては,長年にわたり国の狂犬病予防接種についてご協力いただき,他の多くの国で狂犬病が発生している中でわが国での発生防止が図られており,皆様方のご協力によるものと感謝申しあげる次第です.また昨今,人の感染症対策における動物由来感染症対策の重要性が増していることにかんがみ,昨年の感染症法の改正で動物由来感染症対策の大幅な強化が図られ,獣医師の公衆衛生対策における責務規定等が新たに明示されたところです.今後,動物の輸入届出制度を創設するほか,犬のエキノコックス症等を新たに獣医師の届出対象疾病に追加するなど,いっそうの対策を進めていくこととしております.今後とも食品の安全確保対策,動物由来感染症対策など種々の施策の充実に努めてまいる所存でありますので,これら施策の推進にあたりましては,日本獣医師会のご理解とご協力を引き続きよろしくお願い申しあげる次第であります.
 最後になりましたが,今後の日本獣医師会のますますのご発展と,本日お集まりの皆様方のご健勝を祈念いたしまして,私の挨拶とさせていただきます.どうもおめでとうございました.